病気になっても
いっぱい遊びたい ~小児病棟に新しい風を! 遊びのボランティア17年~

2009.01.21
病気になっても<br />いっぱい遊びたい ~小児病棟に新しい風を! 遊びのボランティア17年~

著者:坂上和子
出版社名:あけび書房
発行年日:2008年8月
価格:\1,680
ISBN:978-4-87154-077-3

本来、子どもは遊びの中で成長していくものです。小児がんなどの難病と闘う子どもたちにも、遊びながら学び、楽しむ時間が必要です。また、自分の時間が無く、極度のストレスと疲労に悩む付き添いをする親にとっては、安心して預けられる時間が少しでもあれば気持ちの切り替えもできます。
本書は、子どもたちと家族、医療スタッフの姿とともに、そこに寄り添って闘病を支えるボランティアの活動が生き生きとつづられています。

著者の坂上和子さんたちは1991年、国立国際医療センターに遊びのボランティア「ガラガラドン」を立ち上げました。欧米ではしっかりとした制度として保障されているこの「遊びのボランティア」は、おもちゃや楽器、手芸、工作、ゲームなどを運んで遊び、付き添う親に休息時間をつくります。転院すれば転院先へ、在宅になればその家にも行くそうです。

日本では、感染や事故を理由にベッドサイドのボランティア導入に積極的とはいえません。全国の小児科のある病棟に保育士が配置されているのは2割に満たない現状といわれています。しかし、コーディネーターの細かい配慮・工夫・努力によって坂上さんたちは無事故で活動を続けています。

治療優先によって忘れがちになってしまっている『楽しみの時間』を再度見直せば、闘病生活中でも笑顔が増えるということを、本書は教えてくれます。子どもだけでなく全ての患者さんにとっても楽しい時間を過ごせるヒントとなるでしょう。
(目次)
1章 がんと闘った盲目の少女-「かなのちゃん通信」から
2章 遊びのボランティア誕生
3章 広がる遊びのボランティア
4章 涙を抱いて-国立がんセンター夜の小児病棟
5章 海外の病院に学ぶ
6章 NPOにかける夢
終章 グリーフケア-悲しみに寄り添って

看護ネット事務局

看護コミュニティ

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