第7話 退院編

2015.03.17

―あなたの意見が病院を変える!―

花子さんの検査は無事に終了し、明日はいよいよ退院の予定になりました。

いよいよ明日退院だわ。いろいろあったけど、この病院にはお世話になりました。

退院おめでとう。ところでさっき、このアンケート用紙が配られたわよ。

あら?これ何のアンケートですか?

これは病院が患者さんからの意見を聞いて、これからの病院づくりに生かそうと思って行われるアンケートなのよ。

近年多くの、病院でよりよい病院づくりのために利用者である患者さんの意見を取り入れるため、「退院患者アンケート」や「患者満足度調査アンケート」などと呼ばれるアンケートを行っています。アンケートの内容は各施設によって様々ですが、主に「診療に関すること」や「施設に関すること」、「職員の接遇やマナーに関すること」などが中心です。
また、外来の待合室やロビーにも、「ご意見箱」などを設置して、病院を訪れた患者さんやご家族などからの幅広い、率直な意見を募っている病院も増えています。

こうしたアンケートへの回答や、「ご意見箱」に寄せられた皆様からの意見は、病院の接遇対策関連部門や、管理部門などで検討されて、利用する方の意見を生かしたより良い病院づくりの参考となるのよ。

なるほど~。じゃあ、私の意見が病院の何かを変えるきっかけになることもあるってことですね。

病院の評価?

日本医療機能評価機構が行っている、病院機能評価事業もその一つね。

日本医療機能評価機構とは?

近年、高齢化の進展、疾病構造の変化、医療技術の進歩といった社会そのものの構造の変化により、医療に求められるものが高度化・多様化し、国民の保健医療に対する関心や要求が、ますます高まってきました。
このような状況下で、医療システムへの要請として、量的に整備すること以上に、質的に保障することが強調されるようになり、国民に対して医療提供情報に関する正しい情報を提供していくことと、良質な医療提供を推進し、確保していくことが重要な課題となりました。

そこで、日本医療機能評価機構は、医療機関を学術的観点から第3者評価を行い、医療機関が質の高い医療サービスを提供していくための支援を行うことを目的としています。
現在、この機構による評価の認定を取得した病院は2,279病院(2014年11月20日時点) あります。

実際にはどんなことが評価されるのかしら?

病院組織の運営や、患者の権利と安全確保の体制、療養環境と患者サービス、医療の質と安全のためのケアプロセスに関することなど、病院の現状や機能を評価しているのよ。
患者さんに対するアンケートが行われているのかどうかも、評価項目に入っているのよ。
例えばね...

・患者の意思を尊重した医療を行っているか?
・地域への情報発信と連携はとれているか?
・患者の安全確保に向けた取り組みを行っているか?
・良質な医療を実践しているか? 等

<詳細・参考>
日本医療機能評価機構 病院評価事業
http://jcqhc.or.jp/works/examination/e2.html

また、2010年から厚生労働省が「医療の質評価・公表等推進事業」として、患者さんの満足度も含めた医療の質を数値にして評価して、その結果を公表する取組みを推進する等、医療の質を評価して、公表することが一般的になってきました。

へええ!医療もサービスなのね。私もこの病院がもっとよくなるように、早速アンケートに答えます。

退院についてお分かりいただけたでしょうか。

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