自分が元気になっていくこと

2005.04.01
有森 直子
  • 2005/04
  • 助産師:有森 直子

私は、現在看護大学の教師をしています。学生さんは、この学校で勉強したあと、国家試験をうけて、合格すると看護師・助産師・保健師として社会で働くことができます。看護学生は子どもからお年寄りまですべての方の看護ができるように勉強します。多くの看護職はその中でも特に得意な領域を決めます。私は、子どもが生まれてくる「産科」に興味をもちました。というのも、学生の時の実習で自分は、「病気」の方のケアよりも、「健康」な方に「おめでとう」といっているほうが向いているなと感じたからです。向いているという実感は、自分がありのままでいて、心から「楽しめる・喜びをもてる」かどうかだと思います。

 助産師は、正常なお産であれば、この手で赤ちゃんを取り上げることができます。お産の経過はいつもどきどきでした。赤ちゃんの心臓が苦しいサインを出していないか、お母さんの陣痛は、強すぎたりしていない・・・。お産のときには、いつも「無事に生まれてください」と祈っていました。赤ちゃんが生まれてくるまでの時間は、ひとによって様々ですが長い人だと、2晩くらいかかる人もあります。こちらも体力と気力の勝負です。そのようなはりつめた緊張が、赤ちゃんの「ほんぎゃーーーー」の声と、「あああーーよかった・・・うまれたーー」というお母さんのほっとした顔と頬を伝わる涙で、一気に吹き飛んでしまいます。「陣痛の間は、もう子どもはいらないって思ったけど、こんなにかわいいともうひとり産んでもいいかな・・」というお母さんの言葉を聴くと、こちらまで幸せになってきます。

「助産師さんって大変ね。」とよく言われますが、「幸せ」な思いをされているお母さんと赤ちゃん、そして家族から、とても多くの「幸せ」と「元気」をいただいている恵まれた仕事だと私は思っています。
自分がやりたかったことに到達するまえに、「自分の出来ない点」「苦手なところ」をなんとかしようということにとてもエネルギーをかけすぎて、苦しくなることがあります。本来「大好きだったこと」が苦しいだけのつらいことに変わってしまい、自分がわからなくなってしまうこともあります。『本当はなにがやりたかったのか・・』と。「苦しみは、幸せの味付け程度で十分・・・。人間は幸せになるために生まれてきたのだから」というように生きたいと思っています。

●研究ページ
・日本型遺伝看護
・国際看護コラボレーション実践開発

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