手術室看護から周麻酔期看護へ、私のフライト

2011.12.20
吉田 奏(すすむ)
  • 2011/12
  • 看護師:吉田 奏(すすむ)

今回は、「手術室看護とは何か」、また現在学んでいる「周麻酔期看護」について、私なりの視点で話をさせて頂きます。
看護大学を卒業後、私は手術室へ配属された。看護学生時の記憶は、手術室は、とりあえず特殊な環境で、特殊な看護が必要な場所。実際、その通りだった。
手術室の看護は、大きく2つに分けられる。器械出し看護と外回り看護だ。
器械出しは手術の進行に合わせ必要な器械(メス、開創器、セッシ、持針器等)を外科医に渡す役割だ。ただ、外科医に言われたものを渡すだけではない。言われる前に自分の手元に準備されていなくてはならず、外科医が手を出した時、その都度状況に合わせ、例え言葉がなくとも必要な器械が手に渡る。予測性と状況判断が必要となる役割だ。
器械の種類は何百種類を超えるかもしれない。例えば、ハサミ一つとっても、長さ、先端の細さ、曲がり具合等多岐に渡り、それぞれのハサミには各々必要なシーンが存在する。各器械や解剖の知識、手術ごとの術式の流れなど、学ぶべきことは山ほどあるだろう。器械出し看護師はある意味、スペシャリストだと言える。

一方、外回り看護は患者さんが手術室の入り口をくぐってから、麻酔の導入、手術中、術後の回復室でのケアを含め、手術室を出るまで常に患者さんに寄り添った看護を行う。麻酔の介助は勿論、手術中に必要な医療機器の準備など、患者さんを中心として外科医と麻酔科の双方に目を配らなければいけない。
良く言われるのは外回り看護師には手術中のコーディネーションの役割が必要なことだ。患者さんからのバイタルサインの変動をみつつ、麻酔科的に必要となる処置の予測や準備、術野では刻々と変わる手術の進行に合わせて、必要となる器械を予測し準備する。どちらかと言うと、外周りの看護師は「ジェネラリスト」でなければならないだろう。
手術室看護は手術室という閉鎖空間だけに、なかなか一般の方や看護職に対してでさえ、あまり認知されていないことがとても残念である。手術室の中では、特殊な知識や技術が必要とされている看護があることを是非知って頂きたい。

私自身の話をさせてもらうと、外回り看護をしている中で、ジェネラリストであるが故か、患者さんの身体や生体モニター等から目を話さず、継続的にみるということが難しかった場面が多々あった。もっと、モニターしたかったシーンが多かった。麻酔中の患者さんの体の中で何が起こっているのか、そして正確にモニターすることとは何なのか。学びたいことは山積みだった。学生となりもっと多くのことを学びたい、それが今の私の居場所に繋がっている。
現在私は、大学院で周麻酔期看護学という分野を学んでいる。聞き慣れない言葉であると思う。周麻酔期看護とは、手術だけでなく検査も含め麻酔を受ける患者さんの麻酔前、麻酔中、麻酔後を含めた看護である。周術期という、手術の前、中、後のみとは考えを異にしている。
麻酔に関する知識はやはり高度に医学的なものであった。生理学、物理学、化学、薬理学など多分に基礎的学習を積み上げる日々を送ってきた。実習では、シミュレーター学習を通し、実際に手術前の評価、麻酔管理、術後の評価等を麻酔科医と共に実施したり、高度な実践教育を受けている。
では、実際にはどのように臨床での役割を担うか。未だ模索中ではあるが、実際に手術中の麻酔や、検査中の鎮静処置などを実施することもあるだろう。ただ、麻酔科医の代わりを担うのではないことだけは御理解頂きたい。より患者安全の視点に立ち、麻酔業務のフォローも含め、麻酔前の患者さんへの説明、麻酔後のフォロー等、看護の視点で多分に関われる新しい分野ではないかと考えている。

看護師として、麻酔に関わる患者さんの医療の安全・質の向上へと貢献したいと言う気持ちを胸に、今後も励んで行きたいと思っている。

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