看護は場を選ばない~ドライフラワーズの教え

松本 文奈
  • 2014/10
  • 看護師・保健師:松本 文奈

10月になると思い出すのは、外来ナースチーム「ドライフラワーズ」の1員として優勝した、綱引き大会のことです。といっても病院内の部署対抗戦。某映画のような華々しい全国大会ではありませんが、私にとっては人生を変えた思い出です。

当時入職した私は、思いもよらず外科系外来に配属されました。来る日も来る日も診療の補助、採血、検査説明、カルテ整理...。ナースとして成長できているの?と最初は情けない思いでいっぱいでした。幼い私は、看護はどこにでもあるということが見えずにいたのです。そして9月、新人の務めとばかりに「ドライフラワーズ」の1員とさせられ(?)、院内大会で優勝すべく、練習に参加する毎日が始まるのです。

外来には、女性のライフイベント前後で移動した方、夜勤をしない働き方を希望した方(健康面の事情や、夜間大学に通う自己研鑽中の場合など様々です)が勤務していました。つまり、キャリア継続に頑張る女性の集団です。こういう女性は、何事にも全力投球なのです。毎日夕方外来ホールの一角で、今となってはシーツだったのでは?と思う紐を、綱に見立てて-引く練習をしました(今だったら病院として許されないでしょう、いい時代でした)。なぜこんなことを毎日するの?という疑問を抱きつつ、練習を通じて私は彼女たちの「生きざま」に触れていきます。目標に向けて時間を作り出す強さ。仕事への熱意、看護への思い、人生。そして私は、看護は場を選ばない、成長は自分次第ということを実感していったのです。

迎えた大会当日、「ドライフラワーズ」への声援の多さに圧倒されました。幼い私は気付いていなかったのです、外来ナースは病院でも有名なベテランナース揃いだったこと。そして、そこで看護や仕事を学べた贅沢を。色々な部署の大勢の人々に応援され、見事優勝!私は病院内の大勢の人と関わりながらキャリアを継続している先輩方が、とても輝いて見えました。そして本当に優勝を勝ち取る逞しさに感服し、多様な働き方を模索しながら、仕事を続ける醍醐味が少しわかった気がしました。 新人時代、こんなふうに大切に育てられた私は、看護師になり20年以上、今も働いています。先輩ナースのみなさん、みなさんの語りがこんな後進を育てていくかもしれません。私は「ドライフラワーズ」からいただいたパワーで今も働き続けています。

ナースという仕事は、自分らしい花が咲かせられる仕事です。「ドライフラワーズ」の命名の由来は、「女性として枯れていても、なかなか折れない」だそうです。枯れてしまうことはさておき(?)、彩りをしなやかに醸成していく花のように、これからも成熟した看護が提供できる逞しいナースを目指していきたいと思います。

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