私の思う養護教諭という仕事

浦口真奈美
  • 2019/12
  • 看護師・養護教諭:浦口真奈美

みなさん、養護教諭をご存知ですか?小学校や中学校、高校の保健室にいる教員のことですが、保健室の先生と言えばピンと来る方も多いと思います。保健室に行った経験のない方は、多くの学校で毎月発行される、いわゆる保健だよりが養護教諭との接点かもしれません。 私は看護学部を卒業後、すぐに養護教諭として働き始めました。そして今年の4月から聖路加国際大学に着任し養護教諭の養成に携わるようになりました。これまで長い間、養護教諭として働き、養護教諭の仕事をだいたいは分かったつもりでいつつも、その役割について、もやもやと模索する日も多くありました。教える立場となった今、養護教諭の仕事を外側から捉え、改めて養護教諭の仕事の幅の広さや奥深さに気づかされ、新鮮な気持ちでいます。

学校の中で医学や心理学に関する専門知識をもち、子どもたちの健康を守り育てていく立場の人は、養護教諭のほかに学校医やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどがいますが、常に学校にいて子どもたちがいつでも会えるのは養護教諭だけです。そのため養護教諭は、日常的によくおこる軽いけがや体調不良の手当てだけでなく、突発的に救命処置を求められる場面に遭遇することもあります。また、小さなささくれで保健室に来た子どもから、悩みを吐露されることもあります。このように養護教諭は、子どもたちのからだの不調やけがはもとより、成長発達過程にあるゆれやすい時代にある子どものこころや人間関係にも寄り添う仕事なのです。 これらのさまざまな子どもへの対応や、子どもたちの健康スキルを高めるその他の取り組みを、養護教諭だけで行うのではなく、学級担任や、管理職、スクールカウンセラー、その他学校内外の子どもに関わる方々と共に協力関係を築いて取り組んでいきます。このように幅広くオールマイティな力を求められる仕事でもあります。 しかし、皆さんもご存知のとおり、殆どの学校で養護教諭はひとりあるいは2人(小学校で児童851人以上、中学校・高校は生徒801人以上で複数配置)しかおらず、すぐ養護教諭の先輩に相談できる体制ではありません。私自身、この場合どうしたらいいのだろう・・・と立ち止まり悩むことも度々ありました。しかし、振り返ると職場の同僚や上司、他の学校の養護教諭の方々に、たくさん助けられたからこそ、やってこられたなと思います。 そして、養護教諭とひとくくり表現されますが、その仕事の内容や役割は、小学校や中学校といった学校の種類でも、またそれぞれの学校独自の文化によっても違ってきます。すなわち、大学などで学んだことがそのまま使えるわけではないのです。それは、その学校にあったものを自分で模索する大変さにもなりますが、一方で自分らしさを発揮できるおもしろい仕事でもあると思っています。

一度、学校現場から離れ、いま改めて養護教諭の時に自分が行っていたことを振り返り、直感的に必要だと感じて行っていたことが、実は重要な役割を果たしていたことがわかったり、逆に養護教諭として「もっと何かできたのではないか」という苦い体験の、うまくいかなかった要因に気づかされたりしています。そして、改めて養護教諭の仕事のおもしろさや難しさを感じています。このような私の体験や失敗から学んだ事、そして何より関わった子どもたちが再びその子らしさを取り戻す様子を間近で見られる魅力的な仕事であることを、将来養護教諭を目指す人に、伝えていきたいと思っています。

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