いろいろな小児慢性特定疾患

腎臓病

腎臓では、血液をこしておしっこをつくっています。血液をこしているところを糸球体といいます。腎臓病の中でもっとも多いのは、この糸球体に異常がおこる病気で、慢性糸球体腎炎やネフローゼ症候群があります。慢性糸球体腎炎は、血管の膜が厚くなったり、血管の外側の細胞が増えてしまうことで、血管が狭くなり腎臓を流れる血液が少なくなる病気です。ネフローゼ症候群は、糸球体の血管からたんぱく質が漏れ出してしまう病気です。

腎臓病では、腎臓のはたらきが悪くなることで、さまざまな症状があらわれる可能性があります。水分がおしっことして体の外へ出ていかなくなることで、手や足、まぶたの上が腫れぼったくなったり、おなかがパンパンにふくらんだりします。体に不要なものを外へ出せなくなることで、体がだるくなったり吐き気をもよおしたりします。赤血球を増やすホルモンが少なくなることで赤血球が足りなくなり、顔色が悪くなったり貧血に なることがあります。

治療では、薬の内服をしながら、適度な運動と休養、バランスのとれた食事といった腎臓に負担をかけないような生活をすることが大切です。また、腎臓のはたらきを急に悪くする可能性のある細菌やウィルス感染の予防も重要です。腎臓のはたらきが非常に悪くなった場合には人工透析、腎臓がはたらかなくなった場合には腎移植という治療方法があります。