いろいろな小児慢性特定疾患

先天性代謝異常

私たちの体は、栄養を取り入れて体をつくったりエネルギーにしたりしています。そのためには、体に取り入れた物質を、体をつくる物質、エネルギーになる物質などに変化させることが必要です。このはたらきを代謝といい、その手助けをしているのが酵素です。酵素は、遺伝子にもとづいてつくられています。先天性代謝異常の疾患は、何らかの遺伝子の変異によって、ある酵素がつくられなかったり不足したりすると起こり、数多くの病気があります。

フェニールケトン 尿 症は、タンパク質が分解されてできるフェニールアラニンという物質を代謝する酵素が不足しているために、フェニールアラニンが血液の中などに増えて、尿の中に多量に排泄される病気です。ゴーシェ病は、脂質を分解する酵素が不足しているために、脂質を代謝することができず、肝臓や脾臓、骨などに蓄積する病気です。ファブリー病は、糖脂質を分解する酵素が不足しているために、皮膚や心臓、腎臓、神経などに蓄積する病気です。ムコ多糖症は、ムコ多糖を分解する酵素の不足によって、ムコ多糖が関節や軟骨、皮膚や内臓に蓄積する病気です。