▲入院中の父が突然、幻覚・記憶喪失に。せん妄を患った父親の介護体験記
主な対応と工夫 日常生活の工夫
室内全体の環境整備へのヒント 認知症の方の食事と食事介助
日常生活の工夫
整容
更衣
自発性意欲低下・抑うつ
注意障害
感情・欲求の制御障害
まだら対応
整容
・ 洗面・手洗いなど、一連の動作がわからない場合は、一つずつ声をかけて行ってもらいましょう。
・ 頭髪は、洗面後に鏡の前で櫛やブラシを持ってもらい、自分で行ってもらうよう促してみましょう。
・ 口腔衛生は、食後毎回行いましょう。入れ歯は外して清掃しましょう。肺炎の予防にもなります。
更衣
・ 好みを大切にし、目的や気温などに適したものを選択するが、主体性の低下を招かないようにしましょう。
・ 着る順番がわからない場合は、一枚ずつ手渡しし、できるところをやってもらいながら手を添えましょう。
自発性意欲低下・抑うつ
・ 脳血管性認知症の場合、頻度が高いといわれています。
・ 決まった日課や外出、デイサービスへの参加をすすめてみましょう。
・ 更衣、整容をして布団から離れることをすすめましょう。
・ 肘掛け付きの椅子に座り、音楽を聴いたりして五感を刺激しましょう。
注意障害
・ 何かをしようとしている時は、気をさらさないように言葉かけに留意しましょう。
感情・欲求の制御障害
・ プライドが傷つけられると興奮して暴力をふるう場合があります。
・ 受け止めて、肯定も否定もしないで流動的な態度で受容しましょう。
・ 散歩、おやつなどを共にして、快の時間を多くしましょう。
・ 興奮しているときは間をおき、場や対象を変えてみましょう。
まだら対応
・ 脳血管性認知症では、障害がまだらとなり、できることとできないことが入り混ざっていて、混乱が生じることがあります。できることを見定め、できないことでも、手順を示すとできるときもあります。
・ 「はい」「いいえ」で答えられる質問の仕方もよいでしょう。
・ 嚥下(のみこみ)障害については、正しい姿勢を保つよう声をかけ、覚醒度を上げます。
・ 食後はしばらく座位をとりましょう。はみがきは、嚥下性肺炎の予防になります。