看護の仕事

2014.10.22

看護師の1日

病棟で働いている看護職(看護師)は、主に、入院患者さんの日常生活援助や治療に伴う処置を中心とした仕事をしています。

ここで、病棟で勤務する看護師さん(ルカ子さん)のある1日を紹介してみましょう。
今日のルカ子さんの勤務は、日勤です。日勤は昼間の勤務で、朝8時から16時までが定時です。

8:00 申し送りを聞く

夜勤の看護師さんから、今日の受け持ちの患者さん7人全員の様子を聞きます。「山田さんの熱は下がったかな?今日、手術予定の井上さん、緊張されていないかな。田中さんは、無事退院が決まってよかった」などなど、申し送りを聞きながら、今日の予定を組み立てていきます。

9:00 バイタルサイン測定、与薬

申し送りが終わったら、受け持ちの患者さんのバイタルサインを測ります。バイタルサインとは、血圧・体温・脈・呼吸数など、生命徴候を現すサインのことを指します。バイタルサインを測りながら、患者さんの訴えをきいて、患者さんの状態をアセスメントします。お薬の必要な患者さんには、お薬を飲んでいただきます。ルカ子さんの病院では、電子カルテが導入されているので、患者さんのベッドサイドで薬を確認することができます。

受け持ちの患者さんのお部屋をまわりながら、ナースコールに対応します。 山田さんからナースコールがありました。お熱がまた上がったみたいです。

10:00~12:00 点滴の準備、手術の準備、全身清拭、車椅子への移動など

井上さんが、今日、胆石の手術予定なので、井上さんが手術にいく準備をします。手術用のガウンに着替えてもらって、バイタルサインなど測り、さあ、手術へ。

井上さんが手術室に行ったら、今度は、昨日手術したばかりの太田さんの着替えを手伝います。太田さんは、胃を切除する手術を受けたので、手術後の痛みがあって、お鼻から管が入っていて、点滴を2本もしていて、1人ではなかなか動けません。手術用ガウンを着ている太田さんの痛みが痛みを感じないように気をつけながら、太田さんの身体を石鹸をつけたタオルで拭いたあと、暖かいタオルで包みこむように石鹸分をふき取ります。「太田さん、昨日は、手術で大変だっただろうな。お身体を拭いて、さっぱりと気持ちよくなってもらいたいな」、ルカ子さんは、そんなことを思いながら、太田さんの身体を拭きます。つらいことの多い入院生活のなかでも、患者さんに少しでも気持ちのよく感じてもらうのも、看護の大切な仕事のひとつです。

鈴木さんは、脳梗塞で右半身がマヒしている患者さんです。鈴木さんは、毎日、リハビリテーション室に訓練に行っています。鈴木さんの訓練の時間がやってきました。鈴木さんが、ベッドから車椅子に移動するのをお手伝いします。鈴木さんが移りやすいようにベッドの横に車椅子を置き、鈴木さんが、安全に車椅子に移動できるよう見守ります。

11:30~12:30 お昼休み

ルカ子さんのまちにまったご飯の時間です。職員食堂にいって、お昼を食べます。ルカ子さんが、今日食べたご飯は、「きつねうどん、サラダ、牛肉コロッケ」です。

12:30 昼食後のお薬を配る

昼食後の薬を患者さん配って飲んでいただきます。患者さんのところに行ったら、患者さんがおかわりないかどうかも観察します。

14:00~14:30 病棟カンファレンス

今日、勤務している看護師が全員集まって話し合いをします。話あう内容は、気になる患者さんの看護について、病棟で使用する物品についてなど様々です。今日は、食欲がなかなか沸かないBさんについて、みんなで話あいました。「どうすれば、Bさんが食事をたくさん食べられるようになるだろう?」、みんなで意見を出し合い、よりよい看護を目指します。

14:30 手術後の患者さんのケアなど

午後も、受け持ちの患者さんのお部屋をまわりながら、ナースコールに対応します。
田中さんは、お薬をもって無事に退院していきました。 井上さんの手術が終わったので、手術室までおむかえにいきます。井上さんの手術は問題なく終わっていました。井上さんも嬉しそうです。ルカ子さんは、井上さんに話かけながら、いろんな観察もします。お傷の痛みはないかな?傷の上のガーゼから出血はしていないかな?バイタルサインは安定しているかな?  井上さんが落ち着いたら、他の患者さんのバイタルサインの測定をします。みなさん、おかわりないかな?  佐藤さんは、少し吐き気があるようです。ルカ子さんは、先輩ナースの聖子さんに相談して、主治医に報告することにしました。

午後入院予定だった清水さんがやってきました。清水さんは、明日、眼の手術の予定です。ルカ子さんは、明日の手術の予定を説明しました。

15:00 申し送り

夜勤の看護師さんに、今日の患者さんの様子を伝えます。できるだけ簡潔に的確に情報をつたえます。
申し送りが終わったら、受け持ちの患者さんの看護計画を見直します。患者さんの変化にあわせて、看護 計画もかわっていきます。

17:00 業務終了

ルカ子さんの今日一日が終わりました。「今日も忙しかったけど、無事終わってよかった」ルカ子さんは思うのでした。

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看護職(看護師、保健師、助産師)は、さまざまな場所で活躍しています。

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看護師の中には、病棟で、直接、患者さんに関わっている看護師と、より専門的な立場で患者さんへのケアにかかわる看護師がいます。日本看護協会では、専門看護師、認定看護師の認定を行っています。
様々な立場の看護師の、エッセイを掲載していますので、是非、ご覧ください。

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保健所や市町村役場で地域の人たちの健康保持増進に勤める看護職(保健師)、企業で働く人たちの健康管理・ 健康相談をしている看護職(保健師)もいます。訪問看護ステーションでは、在宅で療養している方を訪問し、看護を実践しています。 また助産所では、助産師が、 赤ちゃんが生まれるお手伝いをしています。自宅出産の場合は、妊婦さんの自宅に出向いてお産を手伝います。

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まだまだ少数派ですが、看護の現場には着実に男性看護師が増えています。

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