12.あなたへの生活サポートと
医療福祉制度と社会資源について

在宅酸素療法を行いながら療養生活する上で、経済的に支障をきたす場合があります。本当に必要があり、活用しうる地域のサービスは遠慮なく受けることで、安心して療養生活に専念できます。

●相談窓口
1) 保健センター
2) 福祉事務所
3) 市町村介護保険担当課、障害福祉課
4) 在宅介護支援センター
5) 社会福祉協議会、ボランティアセンターなど
6) 医療機関
治療と療養生活、社会生活全般について、医師、看護師、医療ソーシャルワーカーに相談できます。

●身体障害者手帳(身体障害者福祉法に基づく)
呼吸器機能に一定の障害がある人は、「身体障害者手帳」が取得できる場合があります。
<呼吸器機能障害の等級とその基準>
等級 障害の程度 判定のめやす
1級 呼吸器の機能障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される方 呼吸困難が強くほとんど歩けない。
呼吸障害のため予測肺活量1秒率(以下指数という)の測定ができない。
または、動脈血O2分圧が50Torr以下
3級 呼吸器の機能障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限される方 指数が20を超え30以下。もしくは動脈血O2分圧が50Torrを超え60Torr以下。またはこれに準ずる場合。
4級 呼吸器の機能障害により社会での日常生活活動が著しく制限される方 指数が30を超え40以下。もしくは動脈血O2分圧が60Torrを超え70Torr以下。またはこれに準ずる場合。

申請手続き
<申請手続きに必要な書類>
1) 身体障害者手帳交付申請書
2) 呼吸機能障害者診断書(指定医師の作成した規定のもの)
3) 顔写真1枚(横3cm、縦4cm、正面、上半身、脱帽)
4) 印鑑

<申請窓口>
福祉事務所
市区町村の障害福祉課

主な医療費助成
1) 重度障害者医療費助成制度
身体障害者1級の交付を受けた人には保険診療分の医療費の自己負担分が助成されます。(自治体により差があります。)
2) 老人保護法による医療費助成(自治体により差があります。)

● 在宅酸素療法を行う人のための在宅サービス
1) ホームヘルパーの派遣(主に家事援助が受けられます。)
2) デイサービス、ショートステイの利用(各機関に問い合わせてください。)
3) 日常生活用具の給付・貸与
電磁調理器、ネブライザー吸入器、酸素ボンベ運搬車、吸引器、空気清浄器など(各自治体に問い合わせてください。)
4) 交通機関についてのサービス(身体障害者手帳の等級によって異なります。)
(1) JRや私鉄・バス、航空機利用時の運賃(割引制度)
(2) 有料道路通行料金の割引制度(事前登録が必要)
(3) 駐車禁止除外指定車標識の交付
1級・3級の人が自分でまたは介護のため家族が運転する車に交付
(自治体により差があります。問い合せ先:最寄の警察署)
(4) 所得税、住民税、自動車税、自動車取得税などの減税
(手帳の等級によって異なります)
(5) 障害者基礎年金、障害者厚生年金の支給

● 介護保険制度によるサービスについて
慢性閉塞性肺疾患などが原因で慢性呼吸不全となられ生活に介護が必要である人は、各種の介護保険サービスが受けられます。市町村介護担当窓口に申請し要介護認定を受けます。サービス利用の際には、1割の自己負担があります。

● 患者会
患者同士の交流や患者自身の体験からの情報交換の場となっています。
もみじ会、低肺機能の会(全国組織)や、病院が中心となっている会などがあります。

● NPO法人日本呼吸障害者情報センター
電話相談、情報提供などを行っています。