在宅ホスピス

2014.11.07

医療機関ではなく、自宅で看護を行う、「在宅ホスピス(地域緩和ケア)」が注目されています。

なぜ、在宅ホスピス(地域緩和ケア)が必要なのか?

日本では、緩和ケアは医療機関で提供するものだとされていました。 しかし、「最期のときは自宅で過ごしたい」と望んでいる方が多いことも事実です。

そこで、自宅で緩和ケアを実践していく、「在宅ホスピス(地域緩和ケア)」が注目されています。

在宅ホスピスケアとは、症状の回復が難しい末期症状の方(主に癌)の症状緩和を目的に、家庭で全人ケアを行うことです。
在宅ホスピスの質を上げること(標準化)はもちろん、ケアの内容だけでなく、お世話をする家族のサポートや、地域・行政を巻き込んでのコミュニティとしてのケアを行ってくことが大切だと言えるでしょう。

在宅ホスピス体験者のことば 「祖父と家族の絆」

「畳の上で死にたい」とはよく言ったもので、穏やかに自宅で生涯の幕を閉じたいと 考える人は多いことでしょう。
私の祖父は病院で末期がんであることがわかり、私たちは「在宅ホスピス」の道を選びました。
祖父は「家族に迷惑をかけたくな い」とも言っていましたが、病院から自宅に戻りました。家での看護は容易なことではありませんでしたが、訪問看護師さんや往診医のお力添えで、私は祖父の 状況を徐々に受け入れることが出来ました。

そして最期の日、死の瞬間を見守りながら家族は強い絆を感じていたのです。
消えていく命を家族で支えた日々、祖父が私たちに残してくれたものは、人が生命を終えるあり様と家族という絆だったように思います。

書籍紹介

在宅ターミナルケアのすすめ

在宅ターミナルケアは、私を訪問看護師として、また1人の人間としても成長させて くれました。死の持つ不思議な力をいつも感じていました。死にゆく人と家族のケア をチームで担うプロセスで、私自身に投げかけられる課題がたくさんありました。私 が私自身と向き合わなければならないときがどれほど多かったことでしょう。患者さんや家族に、そしてチームメンバーに支えられて自分があることを何度も思い知らさ れました。また、若い訪問看護師が在宅で死を看取ると、一皮向けたように成長する 姿を目の当たりにしてきました。多くの方にこのようなケアに携わっていただきたと いう思い出本書を書きました。
(「はじめに」より)

著者川越博美
ISBNコード4-818009199
出版社日本看護協会出版会
出版年月2002年5月出版
価格2,520円(税込)
ページ数156ページ
サイズB5判

訪問看護師のための末期がん患者の在宅ケアの手引き

訪問看護ステーションを対象に全国実態調査を行い、その調査結果をもとに作成した、訪問看護師向けのケアプログラムです。

関連団体

1.るかなび

聖路加健康ナビスポット"るかなび"は、心とからだの健康相談です。詳しくは、こちらのページをご覧ください。

2.全国訪問看護ステーション

訪問看護ステーションとは、寝たきりや慢性疾患のある方、医療機器をつけたまま退院される方、難病・重度障害の方、末期 ガン、精神障害の方などの、「老後も家族と共に生活を送りたい」「在宅での療養を望んでいる」という声に応え、看護師が、直接皆様の家庭を訪問し看護します。 かかりつけの医師により訪問看護が必要と認められた方が対象となりますので、 上記のようなことでお困りの方は、お近くの訪問看護ステーションにご相談ください。

訪問看護ステーション一覧をごらんになりたい方は、以下の全国訪問看護事業協会のページでご確認ください。
>社団法人全国訪問看護事業協会・訪問看護ステーション

在宅の看護

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