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ヨンセイ大学への留学

2006年9月、韓国の延世大学へ短期交換研修に行ってきました。
去年から開始されたプログラムで、韓国の学生4人と聖路加の学生4人が互いの国を2週間ほど訪れて学校や看護システム、病院見学を通して、文化的、学術的交流をするものです。

延世大学は韓国で一流の私立総合大学です。広大な敷地内には巨大な病院が併設されており、数年前に改築が完了したばかりで院内は清潔で快適でした。

子供病院も敷地内にあり、子供が出来るだけ快適に過ごせるような配慮が各所にみられました。その他、ソウル近郊の精神病院や地域保健の様子を見学させてもらい、韓国では地域の看護師が医者の代わりをできること(診断や治療、薬の処方を行える)には非常に驚きました。まだまだ、看護師の地位は日本同様に発展段階であるとの言葉がありましたが、看護師が大きな責任と共にたくましく活躍する姿に私達看護学生は非常に励まされました。

また、総合大学であることも助け、私達は2週間の日程の中で、看護学生だけでなく多学部との学生とも手話サークル活動に参加させてもらったり、language exchangeを通して交流することができました。どの学生も非常に友好的で非常に探究心に富み、自分の興味を追求している姿には熱いものを感じました。

時に厳しく、時に優しく、熱いハートをもった韓国の学生たちから、私達は同じアジア人としてたくさんのものを得たと思います。

 


看護学部 校舎
看護学部の校舎です。大きさは、聖路加看護大学に比べるとやや小さいですが、大学全体のキャンパスは巨大で、まさにマンモス校という感じでした。寄宿舎から看護学部までは徒歩で20分。山を下っていきます。朝は散歩がてら、とても気持ちいいのですが、帰りは登山になってしまうので、ほとんどタクシーかバスを利用していました。
延世大学附属セブランス病院外観
新しいセブランス病院は2005年5月にOPENしました。病床数は1006床です。1日の外来患者は約6500人です。

VIPルーム 病室
以前、キムデジュン元大統領も泊まったVIPルームです。3クラスあり、Aクラスは1泊1750ドル(約20万円)です。このVIPルームは家族用の部屋、ミーティングルーム、リビングなど、全5部屋でした。
ナースステーション 準備室
大学付属のセブランス病院のナースステーションです。

学生によるプレゼンテーション
授業は、学生が教科書に沿ってまとめ、発表形式で進められました。白い矢印の女性が学生です。 正しい手の洗い方やその根拠を説明しています。 演習ではユニフォームではなく、白衣を着用することになっています。 私たちは、一番後ろで先生方に説明を受けているところです。
延世の学生たちとディナーパーティー
食事の後、みんなでかき氷を食べて、お店の前で記念撮影しました。韓国の学生も日本の学生同様に非常に陽気で明るく、そしてみんな優しくきさくです。

こども病院 通路
廊下にも明るさの配慮がなされています。
このこども病院は、韓国では2番目のこども専門病院です。
分娩室
産科には助産師がいません。韓国では助産師の数が非常に少ないといいます。助産師の役割をレジデントの医師が行います。
1ヶ月に約100件の出産があります。

閉鎖病棟 病室
はじめに、精神科の閉鎖病棟を見学しました。病床は24床あります。
スタッフは6人の看護師、4人の男性補助員、4人の医師と3人のレジデントで構成されています。
主な疾患は統合失調症、躁うつ病、アルコール依存症だといいます。
平均入院日数は2〜4週間だそうです。
病室には隠れて何かをされる危険性を回避するためと、防火のためにカーテンがありません。
透析用コンソール
ポンプが2つあり、濾過の除去率が高いミョンジ病院で最新のコンソールだそうです。

グローバルラウンジで日本語を話す学生と
ヨンセイ大学にはグローバルラウンジと呼ばれる、母国語禁止の国際交流スペースがあります。総合大学として名高く、たくさんの留学生がいるからこそ!ですが、結構母国語(ハングル)が飛び交っていました。しかし、国際交流として、他学部の学生でしかも日本語に興味を持って勉強している学生と交流できたことは非常に貴重な体験になりました。独学で非常に流暢に日本語を話す姿には韓国人の勤勉さが伺えます。
看護学部生による民俗芸能「サムルノリ」の公演
サムルノリの「サ」は数字の「4」を、「ムル」は「モノ」という意味、「ノリ」は「遊び」という意味で、太鼓や鐘など4つの楽器を団円になって鳴らします。また途中には寸劇も入ります。

Community health post
ソウルから車で1時間半程度のとある村。地区を預かるのはナースプラクティショナーと呼ばれる保健師である。

診察台
薬剤棚
1人で診察診断処方を行うことができる。そのため、医院の隣に家を構え、車を常備して訪問も行う。

ヨガ教室(1) 高速で500回!
ヨガ教室(2) 呼吸を整えて…
新村から歩いてバスで5,6分、その後徒歩10分程度の住宅街の中にある妊婦用ヨガ教室。
インターネットや知り合いの紹介などで大体妊娠7ヶ月以降の妊婦が集まる。
1週間に3回を1ヶ月で7万円。講習内容はヨガと乳房マッサージ方法などがあり、私達が参加した時は妊婦のみだったが、 父母教室なども開設される。

こどもの為のカウンセリングルーム
市内にある社団法人非営利団体を訪問。実際に催眠療法を行ったり、性教育の教育者を育てる講座などを開催している。写真は子供のカウンセリングのためのお部屋で、子供が自由に壁に落書きをしたり、水遊びをすることで、自分を解放し心を安寧にする目的を持つ。
院内学校で日本語の先生もやりました
写真の男性が日本人でセブランス病院内の小児科病棟で日本語の先生をやっています。 彼は今延世で学んでいる大学生で、縁あって先生をやり始め、もう2年になるんだとか。
10人弱の子供を相手にするので、ノッていれば1時間、やる気がない時は短めにと様子をみながら、教えているそうです。何より、楽しく授業できるように努めているとか。
私達は子供達にハングルを教わりながらも、必死に先生をやりました。

2006年9月 


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