アメリカの病院と日本の病院を比べると、言葉、人種、文化
、ユニフォームなど、ちがうところもありますが、看護師の一日の仕事の流れはというと、あまりちがいはありません。
アメリカも日本も、朝から夕方まで働く日勤と、夕方から次の日の朝まで働く夜勤とがあって、交替で仕事をします。
病院にいくと、まずカルテ(患者
さんについての記録)を見て、自分の担当の患者さんがどういう病気やけがで入院しているか、薬はなにを使っているか、身の回りのことがどこまでできるかなど、患者さんについて下調
べをします。その日一緒に働くほかの看護師や助手さんたちとも話し合って、仕事をしていきます。患者さんに自己紹介
をして、はじまりです。今日はいつ、どんな検査
があるのか、お話をします。検査や注射はもちろん、血圧
や熱を測
ったり、お食事やお手洗い、お風呂の付き添いや手伝いをしたりします。予定通りに進むようにしないといけないので、頭も体もフル回転です。患者さんが動くときに、痛いところがないか、気持ち悪くないか、その人の病気のいろいろなことに注意します。ほかの患者さんが今どこで、なにをしているか、まちがって転ばないように、などということにも気を配ります。途中
で急に新しい患者さんが入院してくることもあります。ナースコールで呼ばれたときには、いそいで患者さんのところにいきます。山ほどの仕事をみんなで協力
して進めていくので、あっという間にばたばたと時間は過ぎます。一通り、仕事が済
んだら記録をはじめます。患者さんが一日どういう過ごしかたをしたか、いつもと変わったようすがあったか、自分がいなくても、他の看護師や医者が患者さんのようすがわかるように、患者さんについて書きとめます。日勤の看護師は夜勤の看護師に、夜勤の看護師は日勤の看護師に患者さんのようすを話し、次にどんな検査や注射があるのか、必要なことを伝えて終わりです。家に帰って家族と、あるいは自分の時間を楽しみ、あしたまた元気に働けるように、ゆっくりと体を休めます。
こんなふうに、看護師の一日はというと、日本とアメリカとでは大きなちがいはないのです。