いろいろな小児慢性特定疾患

小児慢性特定疾患の対象疾患は、 平成 17 年 2 月の厚生労働大臣告示によれば、 11 疾患群、 514 疾患です。 11 疾患群は、悪性新生物、慢性腎疾患、慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、内分泌疾患、膠原病、糖尿病、先天性代謝異常、血友病等血液・免疫疾患、神経・筋疾患、慢性消化器疾患です。ここでは、多くの対象疾患の中のうちのいくつかを紹介します。なお、気管支喘息と糖尿病( 1 型・ 2 型)については、トップページから「こんな症状のこどもには」にあるガイドブックをご覧ください。

白血病

私たちの体では、骨の中にある骨髄という場所で、血液の中にある白血球、赤血球、血小板がつくられています。しかし、何らかの原因で、白血球を作り出す細胞のひとつが異常になってしまうことがあります。そうすると、異常な白血球はどんどん増え、正常な白血球、赤血球、血小板は減ってしまいます。正常な白血球が減ると、細菌やウィルスと戦う力が弱くなり、病気にかかりやすくなります。赤血球が減ると、体に酸素がいきわたらなくなり、疲れやすくなったりだるくなったりします。血小板が減ると、出血を止める力が弱くなり、あざができやすくなったり鼻血や歯ぐきからの出血が出やすくなったりします。これが、白血病です。

子どもがかかる白血病のほとんどは、急性リンパ性白血病です。原因は、まだはっきりしていませんが、人から人へうつったり遺伝したりはしません。治療には、抗がん剤を使う方法(化学療法)と放射線をあてる方法、骨髄移植があります。白血病の治療の進歩はめざましく、今では7〜8割の子どもが治るようになっています。