看護の範囲が多岐にわたりますので、看護研究の対象や方法も広範囲にわたります。 ここでは、聖路加国際大学大学院で学位論文として提出されたものをご紹介しながら、看護研究について説明したいと思います。
また、看護学の学問的知的集積の宝庫が図書館です。学問の自由と真理の探究への使命をもって、人類の平和に寄与する図書館については、こちらをご参照ください。
看護は、"人間"を対象としているので、看護研究の対象となるのも、すべてのひとびとです。本学の博士論文からみると、大人だったり、子どもだったり、お産をしたお母さんであったり、地域で生活する人々だったいといった具合です。
それらの人々を対象に、実践されている看護の現象や相関関係を明らかにし、よりよい看護実践のために研究は行われています。
これらの研究が基盤となって、看護学が形作られ、学問となっているのです。
妊婦さんは、お腹に赤ちゃんがいるので腰痛になりやすのですが、足浴※をすることで、妊婦さんの腰痛を軽減しよう、という研究です。
※足浴とは、足を洗面器にいれたお湯に入れて、暖めて清潔にする方法のことです。
病院に入院すると、治療のためにベッド上で動かずに安静にしていなければならないことがあります。この研究は、そういうときに時間を知せることによって、患者さんに、少しでも楽に時間を過ごしてもらうための研究です。
有森直子他『聖路加国際大学大学院における学位論文の特性―開設20年を振り返って―』、
聖路加国際大学紀要、NO.29 、2003、59-72