小児慢性特定疾患治療研究事業

慢性疾患の死亡数の減少と、患者数の増加

1980 、 90 、 2000 、 02 年総務省統計局国勢調査及び推計人口によれば、 15 歳未満の子ども人口は、 2733 万人、 2240 万人、 1835 万人、 1795 万人と減少した。そして、 1980 、 90 、 2000 、 02 年厚生労働省人口動態統計によれば、悪性新生物で亡くなった子どもは、各年齢階級 10 万人当たり、 1 〜 4 歳児は各々 6.0 、 3.3 、 2.5 、 2.2 、 5 〜 9 歳児は各々 4.7 、 3.0 、 2.3 、 1.8 、また 10 〜 14 歳児は各々 4.4 、 3.3 、 2.0 、 2.1 であり、 22 年間で半分以下に減少した。しかし、 1981 、 90 、 2000 、 02 年度小慢事業の悪性新生物に対する全国の医療費給付人数は、 11,994 人、 20,578 人、 22,678 人、 24,249 人と増加した 5) 。悪性新生物で亡くなる子どもは減っているが、治療によって長期間生きられる子どもは増えている。

また、人口動態統計によれば、全国の 15 歳未満児の喘息死は、 1982 年 130 人、 92 年 85 人、 2002 年 16 人と著減した。しかし、同一機関が同一学校生を対象とし同一調査方式で経年調査した気管支喘息の学童の有症率は、 1982 年 3.2 %、 92 年 4.6 %、 2002 年 6.5 %と増加した 6) 。

そして、身体に障害のある子どもが生活の能力を得るために必要な医療、すなわち育成医療の 1980 、 90 、 2000 、 02 年度給付決定件数は、 38,863 人、 52,235 人、 61,844 人、 66,523 人と増加した 5) 。これらの増加は、音声・言語機能障害、肢体不自由、心臓障害、視覚障害等のある子どもたちである。