パリのおばあさんの物語

2010.02.21
パリのおばあさんの物語

著者:スージー モルゲンステルヌ
訳者:岸 惠子
出版社名:千倉書房
発行年日:2008年10月
価格:\1,680
ISBN:978-4805109137

「年をとると思うようにいかないことも沢山あるけど、それを自分なりに前向きにとらえて生きていくわ。」パリに暮らす一人のおばあちゃんが、過ぎ去った昔を振り返りながら、いまの日常を語ります。深刻になりがちなテーマを真正面から取り上げながらも、パリ風の洒落た表現とイラストで誰にでも読みやすく、老いについてを明るく受けとめさせてくれる一冊になっています。パリで長い間生活をしてきた女優の岸惠子さんの翻訳は、日本語になってもパリの空気が感じられます。

おじいさんに先立たれ、今はパリのアパルトマンで独り暮らしをしているおばあさん。最近、物忘れがひどくなったおばあさんが、つらかったこと、苦しかったこと、楽しかったこと、今でもよく覚えている過去のさまざまな出来事を回想していきます。最後の「おばあさん。もういちど、若くなってみたいと思いませんか?」の問いかける部分では、思わず涙が溢れる読者も多いでしょう。

悲しい運命や苦しい人生の日々が、おばあさんの心の中では生き生きと輝いています。恨みがましいことや愚痴を言わず、これまでの人生をあるがままに受け止めているおばあさんの言葉。本書は、孤独と老いを受け入れ、多くの思い出とともに過ごすのは難しい事ではないと気付かされます。

誰もが何かしら事情を抱えているものです。それを前向きに明るくとらえていく、おばあさんの生き方・哲学を学んでみませんか。

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