やさしさのスイッチが入るとき

2010.05.21
やさしさのスイッチが入るとき

-中学生とシニアのホームヘルパー物語-
著者:土本 亜理子
出版社名:三輪書店
発行年日:2007年12月
価格:\1,680
ISBN:978-4895902861

茨城県美野里町。2006年3月27日に東茨城郡小川町と新治郡玉里村と合併し小美玉市となった町です。2002年、美野里中学校は、社会福祉協議会が中学生対象の「ホームヘルパー3級の養成講座」を全国で初めて開きました。美野里町社会福祉協議会事務局次長、石川美恵子さんが中心となり、関係者を説得して講座を開講したのです。当時は大変話題になり、マスコミでもかなり取上げられました。その後、このユニークな取組みは全国に広がっています。

授業のポイントになっているのは、「子供たちがお年寄りと触れあうことで、子供たちの中で眠っていたやさしさのスイッチが必ずオンになる。卒業後、どんな職についてもどんな生活を送っても、やさしさのスイッチがオンであれば、地域福祉の力になる」無視されたり、いじめられたり、友だちと分かり合えない辛さは中学生にも理解できます。孤独なお年寄りに優しい言葉をかける事が大切さを理解できればいいのです。たとえヘルパーの職につかなくても、家族の介護やご近所のお手伝いなどに役立つでしょう。

本書は、ライターの土本亜理子さんが美野里町で中学生と一緒に4ヶ月間講習を聴講して密着取材したルポルタージュですが、取材をする中でやさしさのスイッチを実感します。「まず車椅子を押せるようになりたい」「身体感覚で現場の力を知って、その上で伝えたい」と感じるようになり、自ら介護の講習会に行き、ヘルパーの資格を取ったそうです。

「できないことを手伝ってあげるのがヘルパー」と参加した一人が気付きます。すでにヘルパーやボランティアとして働いている方や、長年家族の介護をしている方には、中学生の発見に学ぶところも多いかもしれません。

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