聖路加産科クリニックの「つぶやきノート」

冨田 英莉
  • 2012/03
  • 聖路加産科クリニック
  • 助産師:冨田 英莉

私には、ひそかに夜勤中楽しみにしていることがある。それは、「つぶやきノート」をこっそり読むこと。世間ではツイッターというつぶやきが流行っているが、私が勤めている産科クリニックにも「つぶやきノート」という2冊のノートが存在する。

産科クリニックでの「つぶやきノート」の1ページ目には、「あなたのつぶやきをどうぞこのノートに記して下さい。誰かがあなたと同じ思いを持つかも知れません。どうか教えて下さい」、と書いてある。ノートには、妊娠、出産を終え、育児をスタートさせたお母さんやお父さん、その家族誰でも書き込みが出来る。 つぶやきノートの一部を紹介したいと思う(ノートから一部抜粋)。

「初産でしたが、陣痛開始から5時間程で出産することができました。安産だったねと助産師さん達に言ってもらえたのですが、本当に想像以上に痛かったです。でも5日経った今日(これから退院します!)思うのは、"また産みたいな"可愛い赤ちゃんと一緒に過ごしていると、痛い出産の記憶も、最高に幸せなものになって、また経験したくなっちゃう...。不思議です。」

「生まれた我が子を自らの手で取り上げた妻の幸せに満ち溢れた、穏やかな姿に本当に感動しました。苦しんだ分だけ喜びもひとしおです。痛みを知らない夫の私がどれだけ力になれたか分かりませんが、出産に立ち会い、共同作業ができたこと心から良かったと思っています。臍の緒を切った時、3人一緒にスタートを切れたと思いました。」

「"単独出産のススメ"上のお姉ちゃんがいたため、付き添いの母にも早々に帰ってもらい助産師さんと二人きり。薄暗い中たまに来る"うぅ~"という痛みにふぅ~と深呼吸。これ、よくテレビでやっている動物園の出産シーン。お姉ちゃんの時は電気が光々としている分娩室で、せわしなく人を巻き込んでの出産。初産の割に5~6時間で産んだので感動というよりは"こんなもんか!"という感じだった。今回は1人で産むつもりだった訳ではないが、実際1人でよかった。夜の闇の気配を感じつつ"あっ・・・。来る!"冷静に受け止めることが出来る陣痛。人と話さない分内にこもる。こもった分だけ、痛みや動きや、破水の瞬間までもすべて感じることができた。」

ノートのつぶやきどれをとっても思いは人それぞれ違うことが分かる。立ち会い出産が出来て家族の絆が深まった人、家族が立ち会わず一人で出産を味わった人、想像以上の痛みを乗り越えて、また出産したいと思えた人。そんな一人一人の思いに寄り添えるようこれからも努力しなければと、夜勤中このつぶやきノートをこっそり読みながら一人一人の思いを感じ、いつも助産師として奮い立たせている。また、こんな素敵なつぶやきをもっと沢山増やしていきたいと思う。

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