変わるもの、変わらないもの

中嶋 秀明
  • 2016/08
  • 看護師:中嶋 秀明

この4月から思うところがあって、長く続けた臨床の看護師から看護教員になりました。「昔は○○」と言うようになるとおじさんらしいですが、私が看護師を目指した頃の話をしたいと思います。その頃はまず名前が「看護士」でした。看護の大学教育を受けられるところは4大学しかなく、その中で男性を受け入れてくれているのは3大学に限られていました。

自分自身が入院したきっかけで看護に興味を持ち、「看護ってなんだろう」と言う思いのみで看護大学に入学しました。入学後は見るのも聞くのも珍しいものばかりで楽しかった記憶しかありませんが、周りから見ると私自身の方がもっとレアキャラでした。

高校の友人は「看護って何を勉強するの」と言っていたし、医学部の友人は「卒業したら俺の言うこと聞いてね」と言っていた時代でした。大学を卒業し、希望で精神科に就職しても、あまりに珍しい大学出の看護士の私は、職場で「○○大さん」と学校名で呼ばれていました。患者さんからは先生と言われ、病院の看護士は全員知り合いですし、知らない人から声をかけられることも多かったです。看護師が大学院に行って何になると言われつつ、一大決心をして大学院進学を決めた際も、最初にしたことは「男性を受け入れていますか?」と学校に電話することでした。

毎日忙しく病棟で働いている間に時代は流れ、いつの間にか「看護師」と呼ばれるようになり、TVドラマで男性看護師が扱われ、「看護師です」と言う必要があるのは電話口だけで良くなりました。ロッカーの隣は医師でも理学療法士さんでもなくなり同じ看護師となり、病院には知らない男性看護師が増えてきました。

看護系大学は200校をはるかに越え、大学院を持つ看護系大学も実際に今何校あるのか把握するのが困難なほどになりました。

しかしながら、教育の立場になって、あらためて変わらないものに気付きました。看護師は患者さんのために何ができるのかを常に問われていること。看護学生さんが患者さんのケアを、どんな情報からどう考え、何のために看護ケアを行うのかを表現できるように求められていること。私達に求められていることはずっと変わっていないのだなと実感しています。患者さんは確かに苦しんではいますが、生きることに一生懸命で看護師の方が学ぶことが多いのもずっと変わらないし、これからも変わらないのだろうと思います。

時代も社会も患者さんも看護師も変わっていく時代ではありますが、変わらなければならないことも、変わってはならないことも大事にしていこうと思っています。

看護コミュニティ

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