▲入院中の父が突然、幻覚・記憶喪失に。せん妄を患った父親の介護体験記
認知症の人は記憶が失われていくことを理解していますので、自分が誰だかわからなくなくなることがとても「不安」なのです。また、認知症の人の行動には「意味」があります。わたしたちの感覚で否定せず、「受け入れる」ことが大切です。
認知症の人が求めているもの
※東北福祉大学 高橋誠一教授講演より
認知症の人に対応するときの原則
・ 認知症の人のペースに合わせましょう
・ 受容と理解のある態度が大切です
・ 全てがうまくいっていることを話し、安心させましょう
・ 良い点を認めましょう
・ 間違いであっても受け入れ、怒らないようにしましょう
・ 納得できるように話しましょう
・ 非言語的なコミュニケーション−手を軽くなでる、背中をさするなど−も大切です
・ 一人で放置しないようにしましょう。
・ 絶えず良い刺激を与えて廃用症候群を予防しましょう
・ 今を大切に生きる人として接しましょう
※廃用症候群
我々健康な人であっても、筋肉などは使わなければ萎縮し、関節は拘縮していきます。
高齢者や寝たきり、あるいは安静などによって、筋力、臓器などに退行性変化が生じることを廃用症候群といいます。
具体的な状態をあげれば、筋委縮、関節拘縮、とこずれ(褥瘡)、骨そしょう症、起立性低血圧、便秘、尿失禁、肺炎、認知機能の低下などなどがあります。
とくに認知症と診断されている高齢者で、外に出たがらず歩くことが減ってきた場合や、 刺激の少ないない生活をおくること、ずっと座ったままで過ごしている場合、一日中臥床がちの場合などでは廃用症候群が生じやすくなるといえます。
散歩など、できるだけ歩くこと、できることは自分で行ってもらい、よく動くこと、座っていても下肢の上げおろしなどの筋力トレーニングなどを行うこと、 他者と接して日常の会話を楽しんだり、脳に刺激を与えることなどが大切です。