イデアフォー (編集)
出版社:三省堂 253p
発行年月: 2003年10月
税込1470円
ISBN:4385361355
2004年11月より、聖路加看護大学研究センターでも、乳がんを持つ女性同士が自由に集い話し合う場を持つことを目的に、乳がん女性のためのサポートプログラム を始めました。
この本は、イデアフォー という、市民グループが乳がん再発後を生きる21人の乳がん患者の体験を本にまとめたものです。
家族のこと、友達のこと、恋のこと、仕事のこと。
再発後を精一杯生きる乳がん患者の等身大の言葉の数々が、静かに胸を打ちます。生きる力をたくさん貰える言葉が詰まっています。
(本文より抜粋)
■ジェットコースター 飯村直子(33歳)
ずっと恋がしたくてたまらなくて、「ねるとんパーティ」で知り合った医学生と恋に落ちました。
最後まであきらめずに、今を一生懸命に生きれば笑顔が待ってる、そう信じて今日も笑っています。
■息子はハンサムなビッグボーイ! 森一余(37歳)
また、元どおり動けるようになったら、いっぱい、いっぱいやりたいことがあります。
1、ダイエット(ヒスロンというホルモン剤に替えたので、太るらしいから)。
2、快気祝い(今まで一度もやってない!)
3、母と2人で旅行!(女のふたり旅はまだしたことない)。
この本が出版される頃にはいくつくらいクリアしているか、楽しみです。
息子10歳、あと10年は元気で過ごせるようにガンバルゾー。
■元気の素がいっぱい 川田智子(38歳)
自分が元気であるために、"元気なうちは、動く!食べる!遊ぶ!しゃべる!"です。
■私は今、毎日がとても楽しい 柘植奈々子(40歳)
私は思います。私は再発患者かもしれない。
でも、病んでいるのは私の体の中の一部であって、元気な細胞はまだ、
たくさん私の体の中で頑張ってくれている。
人間の生命力は偉大です。私はその生命力を信じます。私自身の尊い生命力を。
私には、まだ超えなくてはならないことがきっとある。
でも今、元気で生きていられるのだから、笑顔を忘れたくない。だって笑顔は人生の花だと思うから。
乳がんという人生の舞台の主人公として、病気であっても花を咲かせて歩いてゆきたい。
死ぬ瞬間まで精一杯生きていたい。
私は今、毎日がとても楽しい。なんでも美味しく食べられること。
風に揺れる花を眺めること。今後はどんな花を植えようかとワクワクすること。
夜、お風呂に入って、今日も一日終わったんだーと手足を伸ばすこと。
そんな日常のさりげない暮らしが、光のシャワーを浴びたようにキラキラとしています。
でも熱を出したり痛みが出たりすると、気分は一転、悪いことしか考えられない。
そんな時は音楽を流したり、できるだけ早く寝て明日が来るのを待ち望みます。
明日になれば良くなるかもしれない、そんな希望を抱きながら。
そうやって7年の月日を過ぎてきました。
看護ネット事務局