著者:ダグマー・H・ミュラー
絵: フェレーナ・バルハウス
訳: ささき たづこ
訳者:石黒暢
出版社名:あかね書房
発行年日:2006年10月
価格:\1,470
ISBN:978-4251009494
アルツハイマーという病気を、子供にも分かりやすく説明してある絵本です。
おばあちゃんの人生を木にたとえていて、たくさんの葉っぱが枯れて落ちてしまう表現は、隠されがちな辛い病気に対して歩みよりやすくなっています。
私のおばあちゃんはアルツハイマー病です。だからまわりの人をびっくりさせるようなことをしたり、いろんなことを忘れてしまったりします。私やパパやママのことを忘れてしまうことだってあります。だけど、私がおばあちゃんとお話しすると、とてもよろこびます。絵本を読むとき、おばあちゃんは私をぎゅっとだきしめてくれます。私はおばあちゃんのことが大好きです。だっておばあちゃんにもいいところがいっぱいあるのですから。
核家族化が進む現代では祖父母と一緒に生活をする子供は減少しています。おばあちゃんと話す機会もないため、病気になったり介護生活となった場合には、理解できずにショックすら受けてしまうはずです。
家族全員が、病気や介護を隠してしまったり目を背けるのではなく、理解をすることが大切です。みんなできちんと理解をしていれば、直接介護を担当する人の負担も減り、本人も過ごしやすくなるでしょう。この本の「私」のようにおばあちゃんが好きになる家族が増えていけば、いつ誰がどんな病気になっても、やさしく接する事ができるのではないでしょうか。
実際の介護は厳しい問題がたくさんありますが、何がその人にとって一番良いのかを考える優しい気持ちを持つことが大事だと教えてくれる一冊です。
看護ネット事務局