原著:Lynn S. Baker
翻訳:細谷亮太
出版社名:医学書院
発行年日:1989年08月
価格:\2,940
ISBN:978-4-260-34002-1
「君が白血病になったのは、誰のせいでもないし、誰にもどうしようもなかったんだ」
病気と戦う人々、本人にとっても家族にとっても一番支えになる言葉です。特に子供が病気になった時、ご両親は自分自身を責めてしまうことが多々あります。 医学が進み治癒する確立が高くなってきた小児白血病ですが、「なぜ自分が」「なぜうちの子が」と悲観したり責めたりせずに、貴重な1日を前向きに過ごしていくためにも、家族や子ども自身が病気についてきちんと理解をする必要があります。
インターネットが普及し情報が多く溢れる現在ですが、子供の病気について不安を解消してくれる情報はまだまだ少ないのが現状です。親の不安もさる事ながら、子供に対してどのような病気で、これからの辛い治療がなぜ必要なのか、学童には友達との関係についてもきちんと説明してあげなければなりません。
本書は聖路加国際病院副院長で小児科部長の細谷先生が、まだ日本では子供に対するケアが不十分であった1977年に、アメリカのテキサス大学MDアンダーソン病院癌研究所に勤務をした事をきっかけに翻訳したものです。細谷先生は「小児病棟の四季」「川の見える病院から」などの著書や「チャーリー・ブラウンなぜなんだい?」の翻訳もされていて、病気とともに生きることを手助けする本を多く手がけています。
冒頭では、まず体の中や血液・細胞の役割の話をイラスト入りで分かりやすく説明しています。そして白血病とはどういうものなのか?それを診断、治療するためにどんなことをするのかを平易に語りかける様進んでいきます。
アメリカで発行された時には、白血病の子供に希望を与える本として大きな評価を受け、血液学の専門医からも絶賛されました。小児科の看護士さんや医師など小児患者のケアに携わる方々にはもちろんの事、そのような病気の子供が復学する際の学校教育としてもぜひ取り入れて欲しい一冊です。
看護ネット事務局