おにいちゃんが病気になったその日から (大型本)

2009.08.21
おにいちゃんが病気になったその日から (大型本)

文:佐川 奈津子/絵:黒井 健
出版社名:小学館
発行年日:2001年08月
価格:\1,365
ISBN:978-4-09-727278-0

「ある日お兄ちゃんが重い病気で入院した。父さんも母さんも、お兄ちゃんにかかっきり。ぼくのことなんか全然かまってくれなくなった。」兄弟が病気になった時、一人取り残された子の寂しさや不安を綴った絵本です。

子供にとって、親の心が他に奪われるのは深刻な問題です。特に家族で病人が出たりすると、何が起きたのか十分に理解できず、不安でいっぱいになります。そしてだんだん「良い子でいなければ」と考え苦痛や罪悪感を持つようですが、それは大人が考えるよりもずっと大きく、心の傷として残る事も少なくありません。

  著者の佐川さんは子どもの頃に弟さんが脳腫瘍になり、その体験を元に1999年自費出版しました。新聞などで紹介され多くの人の共感を呼び、本書が出版される運びとなったのです。ご自身がしてきた思いを込めて書かれているので、同じ境遇の子供にとってはよき理解者の言葉として受けとめるはずです。

「君のお兄ちゃん(お姉ちゃん、妹、弟) は頑張っているんだから、君もいい子にして」
ついそんな言葉をかけてしまいがちですが、頑張っている子供達にとってとても辛い言葉かもしれません。自分では一生懸命いい子にしようと努力をします。しかし心の中では「少しは自分の方を見て」「僕の話を聞いて」と叫んでいるのです。

病気の子供を抱えると、周りの大人達も必死で余裕がなくなるのは当然です。親や家族だけでなく、その子と接する方々にこの絵本を手に取ってもらい、こうした心の叫びを理解してもらいたいと思います。そして一言「たとえ兄弟が病気でも今までのきみでいいんだよ」と声をかけてあげてください。

看護ネット事務局

看護コミュニティ

ページ評価アンケート

今後の記事投稿・更新の参考にさせていただきたいので、ぜひこの記事へのあなたの評価を投票してください。クリックするだけで投票できます。

Q.この記事や情報は役にたちましたか?

Q.具体的に役立った点や役に立たなかった点についてご記入ください。

例:○○の意味がわからなかった、リンクが切れていた、○○について知りたかったなど※記入していただいた内容に対してこちらから返信はしておりません

最大250文字