著者:川村 カオリ
出版社名:宝島社
発行年日:2005年09月
価格:\1,575
ISBN:978-4796648462
2009年7月28日ミュージシャンの川村カオリさんが亡くなりました。2004年に乳がんが発覚し、左乳房の切除手術と抗がん剤治療を経て活動を再開しましたが、2008年に自身のブログで再発と転移を発表しました。2009年5月、デビュー20周年記念ライブを成功させた後、大切なひとり娘のるちあちゃんを思い続けながら短い人生の幕を下ろしたのです。
本書は、川村カオリさんの衝撃の半生記です。
ロシアで生まれ、いじめられた幼少時代、国籍差別との闘い、音楽業界の矛盾に苦しんだ日々、仲間たちとの再出発、情熱的な恋、妊娠、出産、そして突然訪れた「病」という過酷な試練......。「それでも私は歌い続ける!」という強い信念を持ちながら、苦しみに涙も流した日々を写真と共に自分の言葉で語っています。まさに本書の中で語っている「人生はグルグル回るすべり台」、タイトル『Helter Skelter(へルタースケルター) 』は「混とん」「ろうばい」「らせん形滑り台」という意味そのものの人生です。
闘病中の人へは生きる勇気を与え、様々な問題に苦しんでいる人へは辛い事を受け入れる勇気を与えてくれます。社会に立ち向かっていく強い意志と、不器用とも言える精神的な弱さの両極端を持っている自分を隠さずさらけ出して、生きていく事についての勇気を教えているのではないでしょうか。
2009年、るちあちゃんへのメッセージを綴ったフォトエッセイ『MY SWEET HOME ~君に伝えたいこと~』が出版され反響を呼びました。2010年1月23日、誕生日にはオフィシャルブログを書籍化した『復活の意味をもつ洗礼名・アナスタシア』の発売も予定されています。ピンクリボン運動では、今でも川村カオリさんを通して女性達へ早期発見の必要性を訴えています。本書と共にメッセージが多くの人に届き、生きる勇気と病気への知識が広まる事を願いつつ、川村カオリさんのご冥福をお祈りいたします。
看護ネット事務局