著:湯川博士
出版社名:朝日新聞出版
発行年日:2010年04月
価格:\609
ISBN:978-4022645449
作者の湯川博士さんは、将棋を中心としたフリーライターとして活躍されています。その一方、趣味の落語をいかし、毎年年末に将棋関係者を集めた「将棋寄席」を開催し、「仏家シャベル」の芸名で落語を披露してます。
「母親と暮らし始めて三十年以上になるが、数年ごとに体や精神の状態が変わっていく。子供ならぐんぐん伸びていくので世話をしても楽しいが、年寄りは機能が少しずつ下がっていくので、戸惑うことが多くなる。」
冒頭、高齢者と同居をしていて感じる暗い気持ちから始まりますが、湯川さんの持ち前の明るさが所々に隠されています。タイトルに「介護笑説」とされている通り、実際の介護の日々をユーモラスに綴ったエッセイです。
又、本書には、還暦を過ぎた作者自身が実践している、自宅で明るく老親と暮らすための知恵もいっぱい詰まっています。
何度も聞いた昔話を楽しく聞く方法、介護をしていない兄弟との間の相続問題、突然の施設の閉鎖や急病への対応法など、難題の多い介護生活にヒントを与えてくれるでしょう。
作家としても活躍されている湯川さん。読み物としても素晴らしい一冊です。
【目次】
第1章 対応力(睡眠薬/山姥/白い膜 ほか)
第2章 生・病・老・死(希望入院/あん殺、失敗/毒には毒 ほか)
第3章 話し相手(美容院/私は幽霊を見た/昔の話 ほか)
看護ネット事務局