著:中村 和仁
出版社名:新泉社
発行年日:2012年06月
価格:\1,700(税込)
ISBN:978-4-7877-1207-3
高齢者を自宅で看ている介護者は、昼夜を問わず自分の時間がなくなり、肉体的にも精神的にも大きな負担を抱えます。ご家族みんなでチームを組んで介護体制を整えることが理想ですが、ほとんどのその負担は妻である女性だけが抱えるようになってしまいます。息抜きもできず、先が見えない介護の毎日に、疲れ果ててしまうケースが多く見られます。
特に認知症の高齢者の方の介護の話を聞くと、自分だけは認知症になりたくない、あるいは自分の家族だけにはなって欲しくないと思うでしょう。しかし、いまや認知症はそんな特別なものではありません。高齢化社会となった今、誰にでも訪れる可能性があるのです。実際、本書の著者も、認知症の母親を在宅介護しながら、執筆活動をおこなっています。
本書は、実際に介護の辛さを知っている著者が、介護生活に悩む妻たちへのメッセージです。
18人の在宅介護体験談を、それぞれのケースに合わせた「ひとくちアドバイス」を添えて、妻に重くのしかかる負担と心の葛藤を少しでもやわらげ、家族や社会とうまくつながる手がかりを紹介しています。
医療関係者ではなく、実際に介護の辛さを知っている著者の言葉は、友人の励ましのように心に響くでしょう。
(目次)
1.夫の介護
夫が突然倒れて寝たきりに/回復を信じて続けるリハビリテーション/問題行動に振りまわされる日々/もう在宅での介護は限界/一五年間の在宅介護/したくても踏み切れない在宅介護
2.義理の父母の介護
仲良しだった義母の暴言/義理の両親を同時に介護/義父母の介護がきっかけで離婚/けがと病気に見舞われつづけた義母の介護/義父とふたりで乗り越えた義母の介護/特養を断りデイサービスで介護をやり通す
3.実の父母の介護
おまえに面倒みてほしい/暴言、暴力を繰り返す母/義理の父母と実の父母の四人を介護
4.社会とつながる
制度の利用へつなげる/介護士になったフィリピン人妻/母のために介護施設をつくった女性
看護ネット事務局