著:重松 清
出版社名:文藝春秋
発行年日:2008年9月
価格:\610(税込)
ISBN:9784167669072
本書は、家族の問題を中心に人間の命の尊さを問いかける作品を手がけ、多くの読者から支持されている作家、重松清さんによるベストセラー連作短編集です。
死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、その家族と繋がる登場人物たちが出会う生と死の7つの短編は、2004年から2005年にかけて雑誌に掲載されました。その後作品集として発売され、2007年にはラジオドラマ化、2008年には映画化もされました。
昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族や愛する人の死。
消えゆく命を前にして、人はいったい何ができるのでしょうか...。
『死』をテーマとした作品を読み進むと、辛くて涙がこぼれそうになります。でも、読み終える頃には、「いつか、自分自身や自分の愛するひとの、生きてきた意味と死んでいく意味を考える時が来る」と、「その日」を迎える心構えのようなものが見えてきました。
大切な人を失う辛さは耐え切れないものかもしれません。その辛さに寄り添い、前向きに一歩進む手助けをしてくれる一冊です。
今回は、文庫版をご紹介していますが、2005年に先立って発刊されている単行本の装丁は、とても優しい色使いとなっており、こちらもお勧めです。
看護ネット事務局