著者:近藤克則
発行:医学書院
発行年日:2022年6月15日
大きさ:21cm
ページ数:250ページ
価格:2,600円(税別)
ISBN:978-4-260-04968-9
書籍URL:https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/108914
近年、日本の社会における様々な「格差」が報道され話題となっていますね。「健康格差」もその一つです。本書の初版は、国際的にみると日本は平等な国であるという当時の社会の思想に対して日本は健康にまで格差が生じていることを示し、「健康日本 21(第 2 次)」等の国の政策で健康格差の縮小が目標に掲げられるに至りました。これにより、健康格差の存在は今や共通認識となっています。
本書では初版発行から現在までに蓄積された多くの科学的知見を基に、心と社会と健康の繋がりについて紹介されています。医療と公衆衛生、健康政策の見直しに向けた課題や社会政策への提言などの社会的なことから、ストレス対処能力などの「生き抜く力」や「笑い」、「人間関係」の健康への影響などの個人の日常的な効用についても研究が紹介されています。そのため、健康の社会的決定要因や社会疫学研究に関する研究者や実践・臨床家,企業・事業者,政策・行政担当者などの専門家だけでなく、これまであまり関りのなかった方も本書の内容を自分自身の日常生活に活かすことができ、そのことが健康格差の縮小の一助となるのではないかと考えます。
本書を通して「健康格差」について学び、社会で生じている問題を自分事として捉えてみませんか。