みんなの保健室「陽だまり」

2019.05.20

看護師:Bさん

①コミュニティカフェを始めようと思ったきっかけ

みんなの保健室「陽だまり」主催者のBさんは、埼玉県で看護師を長く経験されました。
活動のきっかけは、医療政策と現実のギャップに気づいたことでした。以前勤務していた病院では、患者さんが自らの健康問題に向かい合い、医療を納得して受けられるよう医療図書の用意や相談窓口として患者さんのお手伝いをしていましたが、病院では決められた範囲でしか動けず、個別相談の時間を多くとることができず、個別などの相談を受けられるには有料の教室を開催しなければならない、などの問題がありました。
そのため、困っていることを手軽に話せる場所を創り、地域に住む方のサポートすることが必要だと思い始めました。看護師仲間と『健康でその人らしく暮らすことをサポートしたい』と語らううちに仲間の輪が広がり、草加でご活躍の看護師・助産師・ヘルパー・保健師などのメンバーが集まりました。

②カフェを始めるまでの準備期間に感じたこと

看護師等の仲間7人で「草加市にみんなの保健室をつくる会」を発足し、1年間の準備期間中に地域が抱える問題を調査しました。
スタッフ一同、地域の住民に対して健康相談できる場所を作れば良いと考えていたのですが、集まれる場所を作り、話すことができる、仲間が作れる場所がほしいとの声が大きいことに気付かされました。また、政府の介護・医療制度を期待してしまう受給者意識を持っている方が少なくないことにも気付かされました。

③何が整うとカフェが始められるのか

地域包括ケアシステムを基盤に於いています。誰でも住み慣れた地域で暮らし続けられる仕組み(政策)は市町村・都道府県が地域の特性に合わせて作りあげていくと地域差が出てきます。このシステムを住民サイドで考え参画していきたいと考えました。

④カフェを始めて気付いたこと

どんな年齢でも社会参加することを喜びとされ、居場所作り、楽しく暮らせることが大切です。そのための場所づくりなどの支援が必要です。
また、新聞に載るほどに問題意識が高まらないと動かない政府に期待し、どんなに素晴らしい制度を作ったとしても財政問題などで破綻してしまう恐れもあります。個人の問題はご本人が出ていき、人とつながって解決していかなくては、誰も何もしてもらえない事が多いものです。受給者意識を持っている方は意識変化が必要です。住民側が主体となり相談できる場所や集まる場所を作るなどの取り組みをし、お互いに生活を支え合う社会になっていかなければならないと思っています。
基本的機能としては同じですが、保健室活動はその地域により求められる役割は異なってきます。

⑤カフェの特徴

喫茶「ツネ」の協力を得て、健康をテーマに悩みを語り合い、朗読や音楽を聴きながらおしゃべりできる場所と時間を設け、保健師・薬剤師・臨床検査技師のよる季節別にかかりやすい病気の原因や対策を伝える講座も行っています。その他に中学校の吹奏楽部の協力により、クリスマス演奏会などを行い、地域住民との交流を図りました。これからも地域住民と関わりをもつことで学校以外の場所で子どもたちにとってよいカタチの教育ができたらと思っています。
もしかしたら引きこもりの予防につながっているのかもしれませんし、世代間交流はこれからも積極的に取り組んでいきたいテーマです。

⑥カフェを始めて更に準備したこと(目標と課題)

個別の相談について、どこまで介入してよいのかという点が課題です。参加者にカードを配り、そこに現在抱えている悩みを書いてもらうようにしているのですが、問題としてあげる方はあまりいらっしゃらず、深くは関わっていないのが現状です。
"お互いさまのコミュニティ作り"をモットーに、たくさんの出会いや、語り合いの場を提供しています。お互いさまのコミュニティ作りを住民の目から見て行政に働きかけ支援の輪を広げています。元気に暮らすことを支援し、居場所を創り、ともに学び・ともに助け合う。それが心の安定と安心サポートになり、困った方の支援をつなぐワンストップ機能として、活動をしていきたいと思っています。

引用・参考文献

看護コミュニティ

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