なでしこ達から学んだこと

2011.08.20
宇都宮 明美
  • 2011/08
  • 看護師:宇都宮 明美

日本中がなでしこジャパンの優勝に沸き立っています。私もご多聞にもれず夜中に起きて応援した人たちの一人です。何度も目を閉じてしまうようなピンチや点を入れられては追いかける展開にハラハラしながらも、彼女たちの強さとポジティブさに感銘を受けました。

私は急性・重症患者専門看護師として、臨床現場で今も患者さんと向き合う時間があります。私のモットーはスーパーポジティブです。どのような状況においても決して諦めない、前をしっかり見つめて前進あるのみは、なでしこジャパンに通じるものもあるかもしれません。
今専門看護師として取り組んでいることがあります。それは周手術期外来です。心臓血管外科手術はとても侵襲の強い手術で、その手術を受ける患者さんの不安は非常に強く、術前からの合併症予防に向けた関わりも重要になります。

私の仕事は術前外来では、患者さんや家族の方に対して、病状の説明、手術の概要説明を行うこと。そこから患者さんやご家族が不安に感じておられることを伺います。痛みはないのか、どれくらいの時間がかかるのか、費用はどのくらいか・・・など、医師には聞けない細かい質問を受けます。また患者さんのフィジカルアセスメントを行い、手術までの注意点をお伝えします。必要があれば、歯科受診を依頼します。入院されると病棟・ICU・病棟と訪問して、患者さんの思いを聞きます。
また病棟やICUの看護師さんと協力して、患者さんにとってのベストプラクティスを検討しますし、リハビリテーションを進めるために理学療法士の方々とディスカッションもします。そして術後外来、患者さんの生活の質がどうかを患者さんの言葉で語っていただきます。この取り組みは日本で初めての取り組みです。

しかし、この取り組みは私一人のものではありません。心臓血管外科医・看護師・理学療法士・歯科医・歯科衛生士など医療従事者との協働によって成り立っています。まさにチーム医療の究極の形で、専門看護師がその調整を担っているといえます。まだ始まったばかりのこの取り組みには、さまざまな課題もありますが、手術を受ける患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上のため、強くポジティブにチームメンバーを信じて取り組むことを継続していくことの大切さを感動とともになでしこ達から学んだのでした。

看護コミュニティ

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