2011年10月、聖路加看護大学福島県災害支援プロジェクト(きぼうときずな プロジェクト)に参加し、福島県郡山市にある仮設住宅の個別訪問活動を行った。
前日の雨は嘘のように晴れわたった朝、医療支援車ペ・ヨンジュン号(通称)は、郡山ビックパレットを発った。目的地までの道のりは、本日の活動の確認を行う貴重な時間である。車の中で、同僚と活動予定を打ち合わせる。私は初回の訪問であったが、同行の看護師は二回目とのことで、現地での活動について詳しく話を聞く。
ペヨンジュン号運転担当のスタッフからも、現地の状況の情報を得つつ、車の揺れにも慣れた頃、本日訪問予定の仮設住宅に到着した。
仮設住宅には、隣接して設置されている診療所があった。この診療所は10月初旬に完成した新築とのこと。光りが多く入る明るい診療所に、この仮設住宅での暮らしの体制が整備されつつあることを感じる。
その後、同僚と別れて、本日担当のお宅に向かう。玄関周りに植えられた秋の花々が目を楽しませてくれる。きれいに手入れされた花々に、手入れをされている方の気持ちを感じる。
訪問先のお宅では、「健康について気になっていることはないか」、「前回訪問時から体調に変化はないか」、血圧を測りながら、脈拍数を確認しながら、お顔を見ながら、住民の方とお話する。
私が測定した血圧をご自身の血圧ノートに記載し、血圧の値が安定していることを確認されたときの安心したお顔、飼っていた犬の写真をみせてくれながら、「ここに連れて来られなかった」と、つぶやかれる少し悲しいお顔、「今度の一時帰宅のときには、ビデオを持って来ようと思うの」と話される晴れやかなお顔、住民の方のいろんな表情に触れる一日の中で、看護職としての自分の役割を見つめ直した。
看護職として必要とされている活動を今後も続けていきたいと思う。