おはようございます!という声かけとともに、朝も早い4時30分から夜勤看護師の朝のラウンドは始まる。その最初の仕事は、寝たきりの患者さんのAMケア。AMケアとは、患者さんの口の中を洗い、あったかいタオルで顔を拭き、男性患者さんであればひげをそるといったケアである。私は、この患者さんの口の中を洗うといった、口腔ケアが大好だ。歯ブラシか、緑の1cm角のスポンジがついた口腔ケアブラシに歯磨き粉をつけ、口をあけてください!そのままですよ!私の指をかまないでくださいね!などと話しかけながら、口の中を"シャカシャカ""ゴシゴシ"と洗う。夕方から消灯まえに同じような口腔ケアが行われているが、一晩口をつぐみ寝ている患者さんの口の中は、洗いがいのある"ねっと~り"したものであり、口をパッカリ開けたままの患者さんの口の中は、見事に"かっぴかぴ"な状態で、なんともAMケアのしがいがある。"ねっと~り"した、また"かっぴかぴ"の口を"シャカシャカ""ゴシゴシ"と歯ブラシか緑の口腔ケアブラシで洗い、水でゆすぐことで見事に"ピッカピカ"な口の中に変化する。そして、暖かいタオルで顔を拭き、患者さんがメンタムリップでも持っていたら、それを軽く塗って"つやつやな口"に仕上げて終了である。その過程では危うく患者さんに指をかまれそうになったり、顔を左右にぶんぶん振って嫌がられ、歯磨き粉が飛び散ったり、口をゆすぐ水をわざと思い切り吐き出されたりといったこと多々ある・・・
朝の4時30分という時間は冬の季節は、病室から見える外の景色は真っ暗である。しかし、今の季節は4時を過ぎるともう空はしらじらと明るくなり、夜勤をしていて明るくなる朝の空を見ると何ともいえない"ほっ"とした気持ちになる。そんな明るい空を見ながら、前日の16時から働いている長い夜勤は"あと少し!頑張ろう"自分を奮い立たせるように、歯ブラシか緑の口腔ケアブラシを握りしめ、患者さんに"おはようございます!"と声をかけている。