避難指示解除目前の現実(いま)

2017.03.01
高澤 幸栄
  • 2017/03
  • 看護師:高澤 幸栄

きぼうときずなに参加して

 震災から6年がたとうとしているこの1月、ボランティアナースとして郡山市にある富岡町役場に行って来ました。"何かしたい!"と思いながらこんなに時がたってしまいました。私に出来るだろうかと不安な気持ちもありましたが、行く事が出来、そして実際に被災した方々に接する事も出来、貴重な経験をさせて頂きました。

 1回目は健診結果を整理するデスクワーク、2回目は健診結果を町民の方に個人面談で説明し保健指導を行う、というものでした。

 雪が舞う寒い1日だったせいか、町民の方の出足は今ひとつでした。が、私たちが着く前から寒い中待っていてくださったご夫婦もおられました。じっくり皆さんのお話を伺う事が出来ました。

 震災から6年、それぞれの町民の方の生活様式も変化しているように見受けられました。今だに仮設住宅暮らしの方の苦労話、避難指示解除となっても帰宅困難区域のため、震災直前に建てた家に戻れないという方のお話、「先が見えないのよ」「あれから何も楽しめないのよ」「まさか53歳で退職するとは」などなど経験した方ならではの貴重なお話を伺う事が出来ました。 

 この4月から富岡町は避難指示が解除(帰還困難区域を除く)されます。

富岡町役場郡山事務所は支所となり、本体は富岡町に戻る事になります。と同時に町民の方も帰還OK となるのですが••••郡山で築き上げた新たな生活、仕事、子供の教育、等など、6年の歳月をかけたいま、簡単に戻る事は出来ないのでは?と考えさせられます。私が接したのはほんの一部の方々ですが、「戻りたい」という気持ちは持ちつつも、すぐに戻られるという方はいらっしゃいませんでした。保健師の方々も平日は富岡、週末は郡山の生活になるとおっしゃっていました。

 富岡に戻る、郡山に残る、いずれを選択しても厳しい状況があるという現実(いま)をかいま見た気がしました。災害復興はまだまだ先が長い、まだ道半ばという現実を実感し、私たちがどんなサポートをする事が出来るのか、関心を持ち続けなければいけないと感じました。

看護コミュニティ

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