聖路加健康ナビスポット「るかなび」をご存じですか?

2018.06.30
中村めぐみ
  • 2018/06
  • 聖路加国際大学研究センター PCC実践開発研究部
  • 看護師:中村めぐみ

私は聖路加看護大学(現聖路加国際大学)を卒業後、聖路加国際病院に就職し、内科系一般病棟、緩和ケア病棟・外来・チーム、教育センターで仕事をしてきました。この間に看護をもっと深く学び、実践力を高めるために大学院に進学し、がん看護専門看護師の資格を取得しました。そして本年4月から聖路加健康ナビスポット「るかなび」に異動しました。そこで、「るかなび」について紹介させていただきます。。

 聖路加国際大学ではわが国の先駆的な試みとして、2003年から市民と保健医療専門職とのパートナーシップに基づく市民主導の健康生成をめざすピープルセンタードケア(People-Centered Care)の実践に取り組んできました。これまでに開発された様々な事業のひとつに「聖路加健康ナビスポット:るかなび」があります。 「るかなび」は市民一人一人が主体的に自分たちの健康を自分たちで創る社会をめざした健康情報サービスの場です。この新たなケアのかたちにおいて、看護師はパートナーとして存在し、看護師と市民ボランティアが協働して様々なサービスを提供しています。。

 「るかなび」でのサービス内容ですが、1つ目は健康相談です。市民が抱える健康に関する疑問や不安に耳を傾け、一緒に解決の道筋を模索し、的確な情報を伝えたり、アドバイスをしています。私が専任看護師として常駐している他に、より専門的な資格や知識を持つ看護師や教員による専門看護相談の枠も設けています。現時点では、高齢者の病気・認知症ケア、自宅での療養・介護、がんに関すること、女性の健康、こどもとその家族に関する相談に応じています。私はがん看護専門看護師として、がん体験者やその周囲の方が抱える不安や困りごとの対処方法、治療や療養の場の選択などをサポートしています。

2つ目は健康チェックです。血圧、骨密度、体組成(体脂肪と筋肉量)、握力など、自分の健康状態を把握し、健康生活を振り返る機会を提供しています。測定後に看護師が結果を説明し、必要に応じて模型やパンフレットを用いて健康づくりに役立つ情報を提供しています。

3つ目は図書閲覧サービスです。およそ3000冊の闘病記、医学系の図書、健康や社会福祉に関するパンフレット、雑誌などを自由に無料で閲覧できます。希望があればスタッフが一緒にインターネットで適切な情報を検索する手伝いをしています。「るかなび」の特徴として、闘病記(病いと向き合った体験を本人や家族が綴った記録)が充実しています。

4つ目はミニ健康講座・ミニコンサートです。月1回ランチタイムにどちらかを開催し、健康講座では自身や家族の健康づくりや療養生活のためになるようなお話をしています。ミニコンサートはくつろぎのひととき、心を癒す演奏をお届けします。

このように、「るかなび」は市民と共にあり、ここでの看護師の役割はパートナー、サポーターであり、訪れる人のニーズに合致したかたちで専門性を発揮することが求められています。病院とは異なり、「また来ます」「またお立ち寄りください」という会話にここの存在の意義を感じます。場所が、一般の人々が利用するコーヒー喫茶に隣接するオープンスペースにあることも理にかなっています。皆様もぜひ足を運んでみてください。

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