私は今年の4月から大学院進学のため臨床を離れ、母校の聖路加国際大学で実習室助手として学生の看護技術の自己学習サポートをしています。
学生たちは実習で病棟に来る時の表情とはまた違った表情を見せてくれます。白衣を着た看護師にどれだけの恐怖感を覚えているのだろう、看護師は学生にどれだけ緊張感を与えているのだろうとふと考えさせられました。
自分が学生だった頃、初めてあの実習服に袖を通した時に「やっと看護師の卵だ!」と嬉しくなったことを思い出します。今の自分であれば「そこからが長いんだよ...」と当時の自分に言い聞かせることでしょう。実習当日の朝、実習服を着て大学から病棟に向かうあの道のりでの緊張感も今となっては良い思い出です。
無事国家試験に合格し、ブルーの実習服から本物の看護師の白衣を着た時も「やっと夢だった看護師になれた!頑張らなきゃ!」と気持ちが高ぶりました。更衣室で私服から白衣に着替えた瞬間、気持ちが切り替わってなんだかシャキッとしたことを覚えています。
ちょうど臨床を離れた頃に白衣の戦士!というドラマが放映されていました。世間では「看護師=白衣の天使」のイメージが強いですが、私には「白衣の戦士」という言葉がしっくりきていました。しかし戦士といっても目まぐるしい毎日を戦うだけでなく、程よい緊張感の中に寄り添う心や笑顔が必要になってくると思います。
ドラマの内容とあまり関係はありませんが、今なら学生たちに「看護師がちょっと怖いと感じるのは、看護師もみんなと同じ緊張感を持って看護しているからだよ。」と伝えられるでしょう。
これから実習・就職予定の学生たち、実習服や白衣を身に着けても笑顔を忘れず、緊張を味方につけて頑張って下さい!