手術室で働く看護師をご存知ですか?

2020.12.01
亀田 典宏
  • 2020/12
  • 看護師:亀田 典宏

みなさんは手術室看護師をご存知でしょうか?

一般的に、手術室の中で働く看護師のことを手術室看護師といいます。
よくテレビドラマなどの手術場面で、「メス!」と言われてメスを渡す人がいますね。また、「汗!」と言われて汗を拭く人がいます。それぞれ、前者が「器械出し看護師」、後者が「外回り看護師」と呼ばれています。器械出し看護師は、患者さん病態に応じた手術を行うために必要な器械を準備し、手術を行う医師に手渡します。外回り看護師は、手術の前から患者さんと情報を共有し、患者さんが安全に安心して手術を行えるよう、麻酔科の医師と協働しながら全身状態の観察やケアを行います。
私は教員になるまで、大学病院で看護師として働いていましたが、その多くを手術室看護師として過ごしました。

近年では「周術期看護」という考えが浸透したことから、手術室看護師の役割は拡大しており、手術室の外に出ることも多くなりました。周術期管理センターという言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?外来で手術を受けることが決定したときから、手術を受け、社会復帰するまでの周術期を通して、患者さんやそのご家族に看護を提供しています。
私が特に大切にしていたことは、患者さんが手術医療を受ける治療方法を自ら選択できるよう意思決定のお手伝いを行うことでした。手術医療は必ずしも患者さんの期待する結果とならないことがあり、治療に対する期待と同時に不安や心配を抱いています。ご家族の問題や生活様式の変化を迫られる場合などもあり、同時に多くの決断を求められることになります。患者さんのもつ人生観や価値観を共有し、十分な情報を提供できるよう関わりました。

このように、手術室看護師が手術室を飛び出して様々な活躍をみせるようになりましたが、「手術室看護師の魅力は?」と聞かれるとやはり「器械出し看護!」と答える人が多いのではないでしょうか。私もその1人です。
器械出し看護は、手術に必要な手術器械を準備することから始まります。難しい手術ほど器械の種類や数が多く、いざ手術が始まると進行に伴い必要な器械を医師に手渡します。手術時間が短ければ短いほど患者さんに対する負担は軽くなり、合併症のリスクも少なくなります。手術進行を先読みし、要求される前から次にどのような器械が必要になるか予測し、手術をスムーズに進めるため的確な状況判断をすることが求められます。 ひとつの手術を担当するためには、解剖生理を学び、手術器械の名前・使い方・受け渡し方を理解し、手術手順を覚える必要があります。このように研鑽を積み、手術時間を1分1秒でも短縮できたなら、それが患者さんの負担を減らすことに繋がるのであれば、なんと素晴らしいことなのかなと、私は思います。

手術室ではみなさんが普段よく目にする看護師とは少し違った看護師が働いています。働いている環境は異なりますが考えていることは同じです。患者さんの安全を守り、患者さんが安心して治療に臨めるよう共に思考錯誤し、患者さんの負担を少しでも軽くできるよう、看護を提供しています。

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