花子さんの入院1日目の夜が明けました。
いよいよ今日から本格的に検査が始まります。
今日は何時に何の検査の予定だったかしら...。
昨日看護師さんに説明してもらったんだけど、
緊張していて忘れちゃったわ...。どうしよう。
あなた、昨日「入院診療計画書」をもらったでしょう。
それに詳しく書いてあるはずですよ。
あ、これですね。
でも「入院診療計画書」っていったい何ですか?
一定の疾患や疾病をもつ患者さんに対しての『入院指導、説明、ケア処置、検査項目、退院指導』などをスケジュール表のような形式でまとめたものです。
患者さんは、その表を見ると入院生活のあらましが理解できるようになっています。
入院診療計画書は、医師、看護師、薬剤師やその他の医療職種と連携して行うチーム医療のなかで、効率的に患者さんのケアができるように作成されています。
あらかじめケア計画を決定しておき、それにしたがって診療を進めていくので業務が明確化され、必要な検査や患者さんの指導ができます。
それによって医療の標準化と、時間と資源を効率的に使うことができ、在院日数の短縮や医療費削減にもつながります。
また、「入院診療計画」は、医療の基本的な体制を総合的に評価する「入院基本料」に含まれており、実施すれば診療報酬(医療保険から医療機関に支払われる治療費)が支払われます。
入院した日から数えて7日以内に、患者さんに書面で説明し、お渡しすることになっています。
・入院中に、何が、いつ実施されるのか概要がわかるので、患者さんが抱くさまざまな不安や疑問の軽減に役立ちます。
・書かれている内容を医療者が説明し、患者が質問したりすることで、患者さんと医療者とのコミュニケーションが増え、信頼関係づくりに役立ちます。
・インフォームドコンセント(説明と同意)にも有効な一つの方法です。
・入院から退院までの内容や、ゴールが示されていることによって、患者さん自身が治療に参加する気持ちが高まります。
※病院によって形式は異なります。
入院中から退院までの生活のイメージができるような内容(日付、経過、日ごとの検査、治療内容、安静度、リハビリ、食事、排泄、清潔など)が書かれています。
★入院中は、治療や看護についての不安や心配が尽きません。
入院計画書を参考にしながら、何かわからないことがあったら、一番患者さんの身近にいる看護師に相談して下さい。
ていねいな説明と計画書のおかげで、安心して入院生活が送れるわ。
「入院診療計画書」についてお分かりいただけたでしょうか。