小児慢性特定疾患治療研究事業

まとめ

1. 全国的に幼稚園児や小中学生の約 200 人に 1 人は、小児慢性特定疾患治療研究事業に登録され、 15 歳未満の小児がん患児は、 1004 人に 1 人の割合で生活していた。

2. 近年、悪性新生物や気管支喘息等の慢性疾患で亡くなる子どもは減少し、逆にそれらをもつ子どもは増加していた。

3. 慢性疾患児とその家族の要望は、より良い医療、安定した家庭、積極的な社会参加、の 3 つに集約されていた。

4. 小児慢性特定疾患治療研究事業では、 1998 年度以降全国で使用されている医療意見書の電子データ、延べ 534,788 人分が疫学的、縦断的に解析された。 2000 年度登録疾患は、成長ホルモン分泌不全性低身長症 12,664 人、気管支喘息 11,878 人、白血病 6,680 人、甲状腺機能低下症 5,474 人、川崎病 4,283 人、1型糖尿病 3,740 人、脳 ( 脊髄 ) 腫瘍 3,631 人、甲状腺機能亢進症 3,243 人、ネフローゼ症候群 3,210 人の順であった。

5. 小児慢性特定疾患治療研究事業は、 2004 年度に 法制化される予定である。対象年齢は 20 歳未満、全て入通院とも対象となり、 対象疾患や対象者の見直しが行われ、新たな福祉サービスとして、保健所等での相談事業、患児への日常生活用具の給付等が行われる。

6. 患児家族への今後の支援システムとして、医療、福祉、教育、社会支援活動、患児家族の連携を図るため、お互いの協同的な対応、窓口の設置と人員の確保、日常生活支援、相談事業、情報発信事業等が必要である。