「乳がん女性のためのサポートプログラム」は、2004年11月からの研究活動、助成金によるアウトリーチ活動を経て、2014年度より、聖路加国際病院ブレストセンター主催のプログラムとして活動を行っています。
月1回程度のペースで開催する、乳がん体験者同士が気持ちや知恵を分かち合う話し合いと正しい知識を専門家から学ぶ学習会が、主な活動内容です(2008年度~2013年度:聖路加・テルモ共同研究事業として開催しました)。
今後は、より臨床に根づいたプログラムを目指して、活動を継続していきます。
2015年度の開催日程が決定しました。2015年度は計5回の開催を予定しております。
2014年度4月1日より問い合わせ先は聖路加国際病院ブレストセンターとなりました。
参加を希望する方は、聖路加国際病院ブレストセンターにお申込ください。
今まで通り他の病院で乳がん治療を受ける患者様のご参加も可能です。
なお、以下の FacebookやTwitterで開催の詳細情報など発信いたします。
合わせてご確認ください。
>Facebook
>Twitter
(2015年4月8日更新)
"自分の歩調を大切に"
- Living at Your Own Pace -
乳がんに悩む女性は、あなた一人ではありません。治療と家庭と仕事。時には立ち止まって、 大きく深呼吸をしたくなるときもあります。 そこで私たちは、上記の合言葉をもとに、乳がんを経験した女性が主体的・効果的に治療を継続し、治療を受けながら充実した生活が送れるように、個々の体験を分かち合う場として、サポートプログラムを開催しています。
テーマごとに7~10人のグループで話し合います。患者会と違い、ファシリテーターとして看護師がグループに入ります。参加者1人ひとりが心地よく話せるように場の雰囲気や話の流れを臨機応変に調整し、医学的に誤った情報を訂正し、正しい情報を提供する役割を担っています。
話し合いのテーマは「ホルモン療法や化学療法副作用に対する対処の工夫」「手術後の日常生活」など乳がん治療に伴う悩み、「職場での人間関係」や「家族や知人とのコミュニケーション」「医 療者とのコミュニケーション」などのまわりの人との関係性にまつわる悩み、「気持ちのコントロール」や「キャンサーギフト」などのがんサバイバーとしてどう歩んでいくかについてなどです。
時には参加者の希望により、世代ごとのグループを作り、同世代だから分かり合える悩みを語る機会も設けています。
乳がんに関する学習会は、乳腺外科を専門とする医師や乳がん看護認定看護師、精神看護専門看護師などの医療専門職者を講師に招いて年に2回開催しています。 これまでに「乳がん患者のサバイバーシップ」「乳がんと骨の健康」「乳がんの再発について」「ストレスマネジメント」「内分泌療法」「リンパ浮腫とセ ルフケア」などを開催してきました。 正しい知識を学び溢れた情報に翻弄されない賢い乳がん患者となるための情報を提供する機会となっています。
このプログラムは、がん看護領域での教育・実践活動が極めて優秀でがん看護の向上ならびに本学会の発展に貢献された者および団体を表彰する日本がん看護学 会学術奨励賞(教育・実践部門)を受賞しました。授賞式は、平成24年2月11日に、島根県松江市で開催された第26回日本がん看護学会学術集会・総会の 席で行われました。授賞式には下記の3名が出席いたしました。このような賞をいただくことができたのもご参加くださった患者様、聖路加国際病院ブレストセンタースタッフの皆様、研究段階から携わってくださった皆様、 運営に関わる皆様、運営のサポートをしてくださる大学関係者の皆様などたくさんの方々のご理解とご支援によるものです。皆様に心より感謝申し上げます。
このプログラムは、文部科学研究費「がんデイケアモデル開発のための実証的研究」(研究課題番号:11307057、1999年度~2002年度、代表 者:小松浩子)により開発された「がんデイケアモデル」をベースにし、2003年8月25日に術前化学療法を受ける乳がん患者を対象とした研究として始ま りました。研究期間終了後は、対象者を乳がん女性すべてに広げ、2004年11月より聖路加国際大学看護実践開発研究センター事業として継続開催しており ます。聖路加国際大学21世紀COEプログラム「市民主導型の健康生成をめざす看護形成拠点 -People Centered Care」のプロジェクトの一環で、参加者の有志をコアメンバーとして募り運営ミーティングを開催する取り組みを行い、現在の形となりました。また、現在もよりよいプログラムとなるよう参加者の方に意見カードを記入いただき、意見を参考にしながら運営しています。
2005年4月から2013年3月末までの8年間に、のべ3,016名の方にご参加いただきました。
また、参加者の方より、次のような感想をいただいています。
「乳がんサポートプログラムは、他の患者会と多少異なっていると感じています。患者同士が集い、分かち合うだけにとどまらず、実際に診療を受けている聖路 加国際病院の医療スタッフとの直接の意見交換や講演会などを通して、患者自身が乳がんに関する知識を増す必要性や、「患者を医療の中心に」という聖路加国 際病院の理念とともに患者が医療に参加することの大切さを実感することができる、大変貴重でありがたい場となっています。」 (Hさん) 「患者のお仲間と毎月笑顔でお会いして、元気と勇気と情報とをわかちあえるのが、このプログラムです。治療にはげみながら、仕事も第一線でこなしておられ るパワフルな方々にお目にかかり、明るい表情にどれだけ勇気づけられることでしょう。また、一般患者会と異なり、研究センター主催なので、専門スタッフみ なさんのもと、客観的な情報に基づいた医学的フィードバックが得られ、治療生活での不安や疑問がクリアになり、安心できます。」(Iさん)
その他にも、「ゆったりこころの話ができてよかった」「他の人の悩みを聞いて一人ではないと思えたことだけでも励みになる」などの感想をいただきました。
乳がん女性のためのサポートプログラムは、聖路加国際大学教員、慶應義塾大学教員、聖路加国際病院ブレストセンター看護師、昭和大学病院看護師、聖路加国際大学学生など多数のメンバーがスタッフとして参加しています。
このプログラムの特徴は、乳がん患者さんであれば病期や治療内容を問わず、治療を受ける病院を問わず、誰でも何回でも参加できることです。
乳がんとともに 歩む長い道のりには、新たな悩みや気持ちの揺れが生じることもあるかもしれません。ふと立ち止まって深呼吸をしたい時、仲間と気持ちや知恵を分かち合いた い時はどうぞご参加ください。看護師だけでなく、自分の体験が少しでもお役に立てればと先輩患者さんたちもプログラムに参加しています。
私たちは、新しく 参加される皆様を心よりお待ちしています。
これからサポートプログラムに参加する方に、プログラムの主旨や内容をご紹介する冊子を作成しました。是非、ご活用ください。
「乳がん女性のためのサポートプログラム 参加する方へ(PDFファイル:1,802KB)
聖路加スマイルコミュニティは、乳がん女性のためのサポートプログラム参加者の声により生まれたボランティア活動です。
誰にも悩みを打ち明けられない孤独 感、体験者同士でわかりあえた時の安心感、先輩患者が活き活きと元気に過ごしている姿を見た時の安堵感といった自らの体験から、チーム医療の中に外来通院 中の乳がん患者が気軽に利用できるピアサポートが必要であるとの要望が体験者から出され、その声が形となりました。
活動は、聖路加国際病院ブレストセンター内で行なっています。詳細はこちらをご覧ください。
「Pink Ring」は、35歳以下で乳がんを発症した、若年性乳がん患者さんのためのサポートグループの名称です。
明石町の聖路加国際病院ブレストセンターのスタッフと聖路加国際大学教員が中心となり、定期的にグループ療法を開催しその効果の検証を研究として行っています。
また、Pink Ring卒業生のためのコミュニティとして生まれた「Pink Ring Extend」では、セッション終了後の卒業生が中心となり、若年性乳がん体験者同士のコミュニケーションをメインとしたワークショップを行っています。
詳細はこちらをご覧ください。
「聖路加国際病院ブレストセンター」では、医学的根拠に基づいて、ガイドラインに沿った標準的な治療をベースに乳がんなどの治療を行う機関です。
可能なかぎり、患者さんの希望に沿った最善・最良の医療を提供していきます。
詳細はこちらをご覧ください。
治療内容や、治療の流れ、家族・友人としてできること、そして、患者様ご自身の不安な気持ちが少しでもやわらぐような配付資料を用意いたしました。
お陰さまで、2012年3月、用意した冊子すべてを、皆さまのお手元へお届けすることができました。
※今後、増刷する予定はございません。何卒、ご了承ください。
※以下の冊子は、聖路加国際大学と聖路加国際病院の看護師が共同で作成したものです。すべての方にあてはまらない内容もございますのでご了承下さい。
化学療法を受ける患者様のご家族やご友人に、病気や治療について理解と知識を深めていただき、 どのように患者様と接し、支援していけばよいのかを学んでいただく冊子です。
化学療法を受けながら生活していく患者様に、治療に関することや生活上の工夫を学んでいただき、自分の方法やペースを見つけて快適に過ごしていただくための一冊です。
EC療法編(EC療法の説明)2種類の抗がん剤を併用して行われるEC療法についてのご説明と、 治療の流れ、副作用など、 患者様にわかりやすく理解していただくための一冊です。
患者様が治療中、 自分の体をよくわかりながら生活するために、経過を記録しておくためのノートです。 また、気持ちを整理し書き記すことによって、医師や看護師とのコミュニケーションにお役だて下さい。
患者様の不安な気持ちをやわらげるためのリラクセーションテープと、乳がん患者向けビデオです。
※サポートプログラムで貸し出しを行っています。