看護には、様々な定義があります。ここでは、いくつかの看護の定義についてご紹介していきます。
看護は、ヘルスケア制度の欠くことのできない一部分として、あらゆるヘルスケアの場および地域社会において、健康の増進、疾病の予防および身体的精神的に健康でない、あるいは障害のある、あらゆる年齢の人々のためにケアを包含する。この広い範囲のヘルスケアの中において、看護師にとって特に関心のある現象は、「現にある、あるいはこれから起こるであろう健康上の問題に対する個人、家 族および集団の反応」(ANA,1980:9)である。これらの人間の反応は、個々の発病に対して健康を回復しようとする反作用から、ある地域住民の長期 にわたる健康促進のための方針開発までの広範囲にわたる。(中略)ヘルスケアの環境全体のなかにあって、看護師は他の保健専門職者および他の公共サービス部門の人々とともに、健康増進、疾病予防および病気や障害のある人々へのケアのための保健制度の妥当性を確保するための計画立案、実施、評価という機能を共有する。
1987年、国際看護師協会 会員協会代表者協会において採択この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。(1951) また、保健師助産師看護師法で、保健師・助産師・看護師の3つの資格はいずれも看護を行う者である、とされており、この3者を看護職と呼びます。
保健師助産師看護師法、第5条「看護師の定義」看護とは、何をすることなのでしょう?
看護職は、主に、看護技術を用いて、患者さんなどの看護の対象となる人々の看護ケアを行っています。
3S・・・精神(spirit)、知識(science)、技術(skill)
3H・・・こころ(heart)、頭(head)、手(hand)
これら、3つの要素が総合され支え合って看護ケアとなるのです。
これは、イザベル・スチュワート女史が示したパラダイム(模範)といわれています1)。パトリシア・ドビュナーによるイザベル・М・スチュワートの教育哲学についての分析的な論文2)で記載されています。
では、ケア(CARE)とはなんでしょう。 一般的にケアとは、 「世話 養育 配慮 関心 気遣い 心配り 注意 管理 見守 気を配る 思いやる かまう 世話する 看護する 面倒をみる 手をかける」という言葉で言い換えられます。
1)高橋シュン(2013):看護行為を支えるものオンデマンド版、日本看護協会出版会、p14
2)パトリシア・ドビュナー(千野静香訳):イザベル・名ランド・スチュアートの教育哲学、看護教育、25(10)
看護技術は、看護の専門知識に基づいて、受け手の安全・安楽・自立を目指した目的意識的な直接行為であり、実施者の人間観(看護観)と技術のレベルが反映 されたものと言われています。看護ケアのうけてである患者さんが、安全で気持ちよく自分の力を発揮して生活できるように手助けするための手段が看護技術で あり、人と人との関係性のなかで実践される看護ケアには、実践する人の気持ち(看護観)が反映されます。 看護(nursing)を広い概念でとらえると、子どもをはぐくみ、弱い者・傷つき病める者の世話をするという行為だともいえます。これらは、特別に教 育・訓練を受けなくても、経験によってある程度行うことができます。それを専門の立場から職業として行う場合には、科学的で正確な知識と技術に裏付けさ れ、より安全でより安楽な方法で実施されます。これが、看護技術です。
視診・触診・打診・聴診により対象のからだや健康状態を明らかにする技術のこと。
例えば......
熱を測る(体温測定) 測定部位:腋窩、顎下(皮膚温)、口腔、直腸(肛門)(体腔温)、外耳道(鼓膜温) 体温計:水銀体温計(直腸・口腔・腋窩用) 電子体温計(センサーを利用して予測式)
看護学生はこんな勉強をしています!
> 聖路加国際大学 シラバス『看護の基本 看護援助論Ⅱ』
対象の生活環境を整え、健康不健康に関わらず、当然あるべき日常生活を行えるように援助することです。
病床と環境(部屋)、病床とベッドメイキング、移動、体位交換、身体の清潔(清拭、入浴) 寝衣交換、排泄(ベッドでの排泄、導尿、浣腸)、食事介助、口腔のケアといった援助を指しています。
注射、気管内吸引、酸素療法、包帯法、与薬などのことです。
看護学生はこんな勉強をしています!
> 聖路加国際大学 シラバス『看護援助論Ⅲ』