探していた情報がみつかったとき、「この結果は正しい」と信じていませんか? 研究で明らかになったことはいつも正しいとは限りません。研究をした側が「この研究は役に立つ」と肯定的な評価をしているのは当たり前のことです。私たちは逆に「この研究は本当に正しいのか?」と批判的な見方をすることも必要なのです。
誤ったエビデンスを導きやすい要素には大きく2つあり、これからこの2つについて説明していきます。
バイアスとは本当の結果を誤らせる一連の傾向で、「偏り」ともいいます。これは対象者の選択に始まり、データ収集、分析、解釈、発表などの際に起こる可能性があります。
研究は全ての人に行っているわけではなく何人かの被験者を選んで行われているわけで、偏りが全くない実験ができるわけではありません。ただ、実験を行う際はなるべくこの偏りが少ないように研究方法を工夫しています。
バイアスには、下記のように様々なものがあります。
バイアスが全くない研究はありませんが、バイアスをできるだけ少なくする工夫がどれだけされているかということに、注意していく必要があります。
研究対象に選ばれたものと選ばれなかったものとの間に大きな違いがある場合のことを、選択バイアスといいます。
調査するべき事柄に関して正確に測定・分類をしていない場合のことを、選択バイアスといいます。
プラセボとはいわゆる「偽薬」のことです。みなさんは薬を飲む時に「この薬は効く」と思って飲みませんか? この「効く」という気持ちだけで本当に治ってしまうこともあります。これを「プラセボ効果」といいます。
薬というのは化学的作用の他に、心理的な効果もとても大きいのです。
新しい薬や治療法の有効性を調べる時にはこの薬(もしくは治療法)の効果なのか、「プラセボ効果」なのかを考えなくてはいけません。そのため、実験群 (本当の薬・治療法を受けている)とプラセボ群(研究者が薬を与えるふり・治療をするふりをしている)にわけ、その効果を確かめています。
研究の中にはプラセボ群を作っていない研究もあり、その場合その研究で効果があるといわれている物は科学的、物理的に効果があるのかを考える必要があります。
このように、エビデンスが正しいと判断する前に確認しなければいけないことはたくさんあります。
特に「バイアス」「プラセボ効果」に注意して研究結果をみ ていくといっても具体的にどこを注意すればいいのでしょうか?
下にいくつかのチェック項目を作ってみたので、参考にしてください。
このほかにも、気をつけるべき部分はたくさんあります。みなさんが医療情報を調べる時、直接論文を読むよりもテレビや雑誌、そしてインターネットを用 いて情報を得る機会が多いのではないでしょうか?
マスメディアの情報がいつも正しいとは限りません。また、営利目的の記事もたくさんあります。
看護ネット上にも「インターネット上の保健医療情報の見方」について記事が書いてありますので参考にしてください。