看護学は、新しい学問です。日本において、博士課程ができたのは、 1989年のことです。
看護学は、看護という実践の場面を対象としているため、実践の学問(実践の科学)であるといわれています。学問体系(知的)と実践体系(技術)の両面を持ち合わせています。人間を直接対象にした学問であり、人間の健康現象を取り扱っています。
看護学は、人間を対象としているため、心理社会学 的要素もあれば、病気に焦点をあてた自然科学的要素でもあります。
看護学の分野では、病気の有無にかかわらず看護の対象となるすべての人々に、根拠に基づく質の高いケアやサービスを提供するため、日々研究が行われています。
看護研究の成果は、看護や医療職だけでなく、広く看護の対象となる人々と共有して評価してもらうことが必要です。
看護は、"人間"を対象としているので、看護研究の対象となるのも、すべてのひとびとです。大人だったり、子どもだったり、お産をしたお母さんであったり、地域で生活する人々だったりといった具合です。
それらの人々を対象に、実践されている看護の現象や相関関係を明らかにし、よりよい看護実践のために研究は行われています。
これらの研究が基盤となって、看護学が形作られ、学問となっているのです。