高齢者の方のケアを行う中で、「脱水予防」はとても大切なポイントとなります。
気温の高い夏場はもちろん、年間を通して、きちんとしたケアをしていくことが大切です。
加齢と共に様々な身体的機能が低下すると、脱水症状を起こしやすくなります。
脱水症状に至る具体的な要因としては、体内の総水分量の減少が挙げられます。
また、腎機能の低下、各調整機能の低下、口渇感の自覚が乏しいなどの感覚機能の低下といった現象も、大きな要因です。
男性よりも女性の方が、脱水を起こしやすいといわれています。
また健康面では、歩行や排泄で介助が必要な方、糖尿病があって常用薬として利尿薬や下剤を使用している方などの、脱水のリスクが高いことが明らかになっています。
成人の場合、脱水を予防するためには、少なくとも1日に2.5L以上の水分を補給する必要があります。
しかし、飲み物だけで補うのは難しいため、水分量の多い食事を心がけることが大切です。
特に、日頃から水分摂取量が少ない傾向にある方は、夏場の脱水リスクが高くなります。
また、周囲が水分を補給しやすい環境をつくることも重要です。
体内が乾燥していると、全体の体液のボリュームが減っていきます。
そのため、脱水の予防には、腋窩の皮膚を確かめることが効果的だとされています。
脱水状態の徴候をつかむためにも、腋窩の皮膚の状態を実際に触って観察してみましょう。
次の項目に当てはまる症状がある場合は、脱水が起こるかもしれません。こまめにチェックして、早期発見を心がけましょう。