フットケア

2014.10.22

足や足の爪は、身体を支えるという大切な役割をもっています。 したがって、足や足の爪に異常があると、下肢機能を低下させ、 転倒リスクを高める可能性があることが明らかになってきました。
いつまでも自分の足で歩けることは、自立した生活を送る上で重要な鍵となっています。

足と爪の問題

高齢者に多い足と爪の問題の主なものには、外反母趾、白癬症(水虫)、爪白癬、巻き爪、厚爪、硬爪、足裏の角化、及び、亀裂などがあります。
日ごろから足元に注意してよく観察し、清潔にしておくことが大切ですが、高齢者自身は視力の低下や足先まで手が届かないこと、関心がないことから、足や爪のお手入れがおろそかになり、問題が悪化してしまう傾向にあります。

基本的フットケアの方法

基本的なフットケアは、次のような流れで行います。まずは、ポイントを確認しながら実践してみましょう。

1.足と爪を観察する

まずは、次のような点に注意して、足と爪の様子を観察します。

足の皮膚の観察ポイント

  • 1. 傷、水泡、潰瘍、踵のひび割れ、かさつきがないか
  • 2. 痛み、むくみ、痒みはないか
  • 3. 皮膚の一部の色の変化がないか (赤い、黒っぽい、赤黒いなど)
  • 4. 低温やけどのあと(踵やくるぶしの発赤)がないか

爪の観察ポイント

  • 1. 色や形が変わっていないか
  • 3. 伸びすぎていないか
  • 3. 割れ、はがれ、肥厚、巻き爪はないか

2.足を洗い清潔に保つ

足と爪の観察が終わったら、しっかりと洗います。

足の洗い方

  • 1. 足首がつかるくらいにお湯に足をひたす
  • 2. 石鹸をよく泡立てて、指の間、土ふまず、かかとを丁寧に洗う
  • 3. 爪ブラシで爪と皮膚の間を傷つけないように軽くこする
  • 4. せっけん分をよく洗い流す
  • 5. タオルで水分を拭き取る。指の間もきちんと拭き取る

3.爪を切る

爪は、入浴後の柔らかくなっている間に切りましょう。
一度に切ろうとしないで何回かにわけて切る、 厚くて硬い爪はやすりで薄く削ってから切る、といった工夫をすると、とても切りやすくなります。

また、つめの先端の白い部分が1ミリほど残る程度に、まっすぐに切ることも大切です。

4.クリームや軟膏を塗布する

皮膚の水分や皮脂の補充するために、最後にクリームや軟膏を塗りましょう。

フットケアの方法 ~応用編~

高齢者の多くが抱える足のトラブルの改善に焦点をあてた、発展的なフットケアの方法です。
日ごろの足の手入れが、ウオノメや胼胝(タコ)の改善、外反母趾による痛みの改善、体の健康に通じます。

1.足浴

お湯を張った大き目の洗面器(ベイスン)に、あら塩を大匙1杯入れ、程よい温度(40度)にします。両足をつけてから約5分で、足先から血行が良くなり、体も温まります。
ベイスンには膝まで入る大きなビニール袋を入れると湯温が下がらず、自宅でもお湯の処理が簡単にできます。

2.足の爪の清潔に保つ

足の指の間と爪の周囲をウエットティッシュで指1本ずつ丁寧に拭き、汚れを落とします。普段手入れをあまりしない部分ですので、特に丁寧に拭き、清潔にします。
爪母(そうぼ)という爪になる元のところを清潔にすることが大切です。

3.下肢のマッサージ

膝からつま先に向かって柔らかい掌で優しくマッサージします。足には保湿のためのオイルを塗布すると良いでしょう。
次に、ふくらはぎを両手でゆっくり上に持ち上げ、ゆっくり下ろします。膝に両手の指をあて、ゆっくり上に引っ張り上げます。下肢の血行が良くなり、足が温かくなります。
このとき、マッサージする手の指を柔らかくすることも大切です。指先を、ほうずきを柔らかくする要領で揉んでおくと指先が柔らかくなります。

4.爪きり

足の爪の様子を点検します。爪きりとやすりで爪をきれいに整えましょう。

トラブルを抱えた足の、フットケア

外反母趾で痛みのある場合の手入れや、水虫、爪白癬(爪の水虫)、爪の肥厚、踵の乾燥、ウオノメなどのケアには、コツが必要です。

ケアのポイントは、清潔と保温。
足と足の指、指の間を湯で良く洗い、足の指、足の爪の周囲をきれいに拭きましょう。また、保温のために足先や足首を冷やさないことが大切です。

さらに、足の指を1本1本優しくまわして、関節をやわらかく保つことで、足の指の毛細血の血液のめぐりを良くすることも大切です。

これらのケアを行っていたとしても、何か異常がある場合には、皮膚科など専門家に相談することをおすすめします。

高齢者の看護

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