入浴と清潔
2014.10.21
入浴
入浴はリラックスできる良い時間ですが、高齢者では入浴中の死亡事故の危険性もあり、事故の原因は心肺停止、脳血管障害、一過性意識障害(失神)、溺水・溺死とされています。また、入浴事故は冬場、かつ寒冷地に多いのも特徴として挙げられます。高齢者が入浴する時は、次のような点に留意するようにします。
高齢者が入浴するときの注意点
- 事前に脱衣室や浴室全体を暖めておく
- 40℃を超えるような熱めのお湯は避ける
- 心臓病や高血圧症をもつ人は半身浴にする
- 長湯は控え、入浴時間を20分程度までとする
- 浴室は滑りやすくバランスを崩しやすいので、手すりや滑り止めマットを利用する
- 浴室に安定性の良い椅子をおく
- 入浴前に家族に一声かけておく。家族がいるときに入浴する
- 食事直後や早朝・深夜の入浴は避ける
- 血圧降下薬、安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴はさける
- 体調が思わしくないときは入浴を控える
体を清潔にたもつ
体を拭くことを清拭(せいしき)といいますが、タオルで体を拭くことで体の血行が良くなり、また蒸しタオルをすることで、体が温まり、入浴した時と同じような爽快感が得られます。高齢者の体を拭くときは、次のような点に留意するようにします。
高齢者の体を拭くときの注意点
- 暖かい時間帯に行いましょう。着替えを準備しておきましょう
- 急激な体温変化の無いように、室温(冬場20~25度、夏場20度前後)に気を配りましょう
- 実施前、実施中も体調(顔色、皮膚の状態、かゆみ、キズ、痛み、衣類の痕など)に気を配る
- 高齢者の皮膚は弱いので過度な摩擦や、圧迫は避け、やさしく拭く
- 高齢者は関節が弱いので、関節を支えながら実施する
- 空腹時や食後すぐは避ける
- 入浴前に家族に一声かけておく。家族がいるときに入浴する
- 食事直後や早朝・深夜の入浴は避ける
- 体の末梢(手足の先)から中枢(体の中央)に向けて拭くようにする
- 汗の溜まりやすい部分(首、脇、膝の後、股、臀部、しわの部分)は特に丁寧に
- 手浴、足浴など、部分的に洗面器にためた湯につかる方法を併用すると、爽快感が高まります
- 保湿クリームを塗って、皮膚のマッサージを行うことも良いでしょう