誤えん(誤嚥)の予防
2014.10.21
嚥下(えんげ)とは
嚥下とは食べ物の飲み込みのことです。嚥下は舌、口の周り、首などの筋肉を使用して、食べ物や飲み物を咽に送り込み、咽を通った食べ物を食道に送り込むことを指しています。
誤嚥(ごえん)とは
誤嚥は舌、口、咀嚼(そしゃく)、嚥下(飲み込み)のどこかに障害があるため、本来の食道でなく、気管、気道や肺の方に食べ物が落ちることを言います。普通、気管や肺の方に食べ物がはいると、むせ込み、吐き出すことができますが、全身状態が低下している場合などでは、むせずに反応がないこともあります。
肺につば(唾液)や食物が落ち込むと、肺炎につながります。
次の点に注意することによって、誤嚥の恐れを減らすことにつながります。
嚥下機能が低下してきたときの食事について
- 味付けや温度など、やや刺激が強めの食事にする
- 食事の時はベッドの頭の方を起こし、姿勢を整える
- 食事の前に嚥下体操(次頁参照)や口の周囲のマッサージを行う
- ひと口の量を減らして飲み込みやすくする
- 食事に集中する(テレビなど、気が散る要因となるものを食事中は消す)
- とろみ製材を用いて、汁物やお茶などにとろみを付け飲みこみやすくする
- 固形でなく、ゼリー寄せなど半固形の食事を選択する
- 本人の食べるペースに合わせて介助する
嚥下機能が低下してきたときの薬について
次の薬剤を服用している場合、医師と相談して量を減らすか、服用を中止することを検討する。
- 覚醒(めざめ)レベルの低下をまねくもの:抗精神病薬、精神安定剤、抗けいれん剤など
- 口腔内の乾燥をきたすもの:利尿剤、抗うつ剤、喘息薬、抗ヒスタミン剤、抗精神病薬など
- 不随運動(自分で動かしていないのに動いてしまう)を生じる恐れのあるもの:抗パーキンソン薬など
- 咽頭筋の収縮力を低下させるもの:抗コリン剤、抗うつ剤、カルシウム拮抗薬(降圧剤)など
食べる前に嚥下体操を行いましょう。
嚥下について相談できる、歯科医師、歯科衛生士をもちましょう。